ハト派スタンス継続かタカ派サプライズか

Market Overview-リスク選好は継続

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21日のグローバル株式市場でもリスク選好トレンドは継続。

米国株式市場では、経済指標が総じて市場予想を上回ったことを背景に、S&P500種株価指数が前日比0.3%高の1992.37ドルと、終値ベースで過去最高値を更新。ダウ工業株30種平均も4続伸し、7月24日以来の高値水準まで上昇した。
主要な欧州&新興国株式市場も総じて堅調に推移したことで、外為市場では円安優勢の展開に。商品市場ではNY金先物12月限(COMEX)が続落する等、リスク選好トレンドが継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

Today’s Outlook -イエレン講演待ち

昨日のマーケットで注目すべきは、米金利の動向だろう。昨日発表された米経済指標はどれも市場予想を上回る内容だった。新規失業保険申請件数は29万8000件と労働市場の緩やかな改善を示す内容となれば、中古住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)も515万戸と、前月の改定値から2.4%の増加。全米不動産協会(NAR)は、低位で推移する住宅ローン金利等を背景に今後も住宅購入者の増加が見込まれると分析した。これらの指標結果に米国株式は上述の通り素直に反応した一方、米金利は長期ゾーンを中心に低下。10年債利回りは再び2.4%を割り込む局面が見られ、ドル高トレンドも後退した。

米国マーケットが「株高+金利低下」で反応した背景には、やはり連邦準備理事会(FRB)が超低金利政策を継続するとの思惑があるからだろう。本日はワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでイエレン議長が基調講演を行うが、雇用重視のハト派スタンスをあらためて打ち出せば、「株高+金利低下」を背景に外為市場ではドル売り圧力が強まろう。円相場はクロス円を中心に円安トレンドが継続しよう。資源国通貨や新興国通貨では対ドルでショートカバー主体の展開となろう。

サプライズは、やはりタカ派スタンスへの転換を示唆した場合だろう。労働市場が今後も堅調に改善し続け、それに伴い賃上げスピードとインフレ率が加速していくこと、そのため近い将来金融政策の転換が必要であることを示唆した場合、外為市場では早期利上げ観測を背景にドル高トレンドが継続する一方、資源国通貨や新興国通貨は対ドルで下げ幅を拡大させよう。ただ、より注目すべきは米国株式市場の動向だろう。ファンダメンタルズ改善「期待」よりも早期利上げ「懸念」が強まれば、外為市場ではリスク回避のドル全面高となろう。ただし、ドル円は株安を背景に下落する展開を想定したい。一方、株高維持となればドル円、クロス円共に上値トライの展開となろう。

また、イエレン講演後はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演も予定されている。こちらは、域内の脆弱なファンダメンタルズと地政学リスクが与えるネガティブインパクト、そしてFRB同様、量的緩和政策に踏み込む可能性に言及するかどうか、これらの点が焦点となろう。

尚、イエレン議長の基調講演は日本時間午後11時、ドラギ総裁の講演は23日午前3時30分に予定されている。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 104.50:レジスタンスポイント 104.13:4月4日高値
サポート 103.00:サポートポイント 102.90:8月20日安値

イエレン発言がタカ派サプライズとなっても米株高維持ならば、104.50レベルを突破し105円を視野に急伸する展開を想定したい。ハト派の内容となっても、株高が下落幅拡大を阻止すると想定したい。尚、朝方のオーダー状況だが、104.00、104.50にはオファーが観測されている。105.00にはオファーとオプションバリアが観測されている。ビッドは103.40、103.20にそれぞれ観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3338:10日MA 1.3300:レジスタンスポイント
サポート 1.3242:8月21日安値 1.3200:サポートポイント

1.3250レベルを一時的にせよ下方ブレイクしたことで、1.3200トライを意識する局面へとシフトしている。ただ、積みあがったユーロショートを考えるなら、一度買戻しの展開となってもおかしくない。この点はイエレン&ドラギ発言次第だろう。ただ、米欧の金融政策スタンスを鑑みるに、戻りは限定的だろう。目先は、10日MAを突破できるかどうかが注目される。尚、朝方のオーダー状況だが、1.3300から1.3350にかけては断続的にオファーが並び始めている。ビッドは1.3220、1.3200にそれぞれ観測されている。

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