焦点はユーロ圏経済指標とユーロドル

Market Overview-緩和継続期待を背景にリスクセンチメント改善

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13日のグローバル株式市場はリスク選好優勢の地合いとなった。米国式市場では、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数が2週間ぶりの水準まで反発。一方、主要な欧州&新興国株式も総じて堅調に推移した。背景には、先進各国による緩和継続期待がある。昨日発表された米小売売上高(7月)は、総合・コア共に市場予想を下回る冴えない内容となった。イエレン連邦準備理事会(FRB)議長が指摘した低い賃金の伸びが個人消費に影響している可能性を示唆する内容となったことで、米早期引き締め懸念が後退。また、イングランド銀行(BOE)はインフレリポートの中で、今年の賃金の伸び率に関する見通しを1.25%と、今年5月時点の予想値2.5%から大幅に引き下げた。さらに、今後の金融政策の運営においては賃金動向が重要なファクターになるとも指摘。カーニー総裁の発言でも特段タカ派スタンスを匂わす内容は見当たらなかった。

追加緩和の導入観測が根強い日欧に加え、緩和の『出口』に最も近いポジションにある米英の早期利上げ観測まで後退したことは、地政学リスクに直面しているグローバル株式市場にとってサポート要因となろう。一方、外為市場では『株高オンリーのリスク選好』を背景に、クロス円(特に豪ドル円やNZD円)を中心とした円売り圧力が強まろう。また、米緩和長期化観測を背景に米金利の低空飛行継続が想定されることから、資源国&新興国通貨では買い圧力が強まろう。

ただ、冴えない小売売上高の内容を好感した昨日の米株の値動きは、危険なシグナルでもある。この点については、後日当レポートで指摘したい。

Today’s Outlook -ユーロドル、攻防分岐ブレイクを想定

本日は、ユーロ圏経済指標とユーロ相場の動向に注目すべきだろう。日本時間15時にドイツの4-6月期 国内総生産(GDP速報値)が発表される。予想値は前期比で0.1%減。前年同期比でも1.4%増と、前回値2.4%増から急速に成長が鈍化する見通しとなっている。また、日本時間18時には、ユーロ圏の4-6月期 域内総生産(GDP速報値)も発表されるが、こちらも前期比で0.2%増から0.1%増に、前年同期比で0.9%増から0.7%増にそれぞれ鈍化する見通しとなっている。

すでにイタリアは2008年以降で3度目のリセッション入りとなり、12日のZEW景況感調査(期待指数)ではドイツの景況感悪化が確認された。本日のGDP統計でマクロベースでの成長鈍化があらためて確認されれば、外為市場ではユーロ売り圧力が強まろう。

注目すべき通貨ペアは、ユーロドルだろう。ドイツ&ユーロ圏GDPが低迷すれば、欧州中央銀行(ECB)による年内の緩和強化観測が台頭することで欧州株式をサポートする可能性はある。しかし、緩和強化観測によって独金利の上昇幅は限られること、FRBが緩和の『出口』により近いポジションに位置していることで将来の米欧の金利差拡大観測が台頭する可能性があること、さらにシカゴIMM市場で積みあがっている膨大なユーロショートや米金利の低空飛行が継続中にもかかわらず、1.34前半で上値が抑えられている事実を鑑みるに、ユーロドルは攻防分岐である週足の一目/雲の下限を下方ブレイクする展開を想定したい。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 103.05:ボリンジャー上限 102.90:レジスタンスライン
サポート 102.07:21日MA 102.00:サポートポイント

200日MAの突破に成功したことで、103円台への再上昇を視野に入れる展開を想定したい。目先の焦点はレジスタンスラインの突破。これ突破に成功すれば、ボリンジャー上限(σ:2.0、MA:21)が次のレジスタンスとして浮上しよう。一方、下値は21日MAの維持が焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況だが、102.60-103.00にかけては断続的にオファーが観測されている。102.00にはビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3423:21日MA(緑ライン) 1.3386:10日MA(赤ライン)
サポート 1.3333:8月6日安値 1.3320:一目/雲の下限(週足)

上値の重い状況に変化は見られず。引き続き10日MAに上値を抑えられるようならば、8月6日安値1.3333をトライする展開が継続しよう。下方ブレイクとなれば、週足の一目/雲の下限での攻防へとシフトしよう。尚、昨日に続き1.3335-30レベルと1.3320にはそれぞれビッドが置かれている。また、1.3325には引き続きオプションバリアの観測もあることから、雲の下限レベルでの攻防は相当な神経戦となろう。一方、オファーは1.3450以上から1.3500まで断続的に並んでいる。ストップは1.3320下、1.3470上、1.3490上そして1.3500上にそれぞれ観測されている。

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