リスクセンチメントの改善は米株次第

Market Overview-焦点は米経済指標と株式動向

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8日の米国株式でダウ工業株30種平均は、ウクライナ情勢の緊迫化が一時的に後退したことで大幅に反発。S&P500種株価指数も5カ月で最大の上げとなり、週間での下げを埋める展開となった。対照的に主要な欧州&新興国株式市場では上値の重い展開が継続する等、グローバル株式市場の不安定化が続いた。しかし、米株反発に伴いVIX指数が低下し、商品市場ではNY金先物12月限(COMEX)が反落。そして外為市場では円買い圧力が後退し、新興国通貨売りが限定的だった点を考えるなら、グローバル市場全体は全面的なリスク回避トレンドに陥ることなく、何とか持ち堪えたまま週明けの東京時間を迎えている。

リスクセンチメントが改善するかどうか、この鍵を握るのはやはり米株の動向だろう。その米株は、決算シーズンを乗り切った今、重要経済指標の内容に左右されよう。今週は13日の小売売上高(7月)、14日の新規失業保険申請件数、そして15日の生産者物価指数(同月、PPI)、鉱工業生産(同月)、ミシガン大学消費者態度指数速報値(8月)に注目が集まろう。総じて市場予想を上回る内容となれば、米ファンダメンタルズ改善期待を背景に投資家のリスクセンチメントが改善し、米株を含めたグローバル株式市場が徐々に安定化してこよう。外為市場では、株高を背景にクロス円を中心とした円売り優勢地合いとなろう。ドル相場は米金利の動向次第だが、早期利上げ期待が一時的に後退していること、米軍によるイラク空爆の長期化観測により地政学リスクが意識され続ける可能性が高まったこと、そして米経済イベントが予定されていないことを鑑みるに、今週の経済指標が早期利上げを再びマーケットに意識させる可能性は低いだろう。また、行き過ぎたユーロ売りの調整圧力が強まっている状況(4-6月期域内総生産・速報値の結果次第ではショートカバーがさらに加速する状況にあること)も鑑みるに、好調な米経済指標の結果、ドル相場が反発しても限定的となろう。むしろ良好な経済指標が「株高オンリーのリスク選好」を誘発することで、高金利、資源国そして新興国通貨が対ドル&円で堅調に推移する展開を想定しておきたい。

Today’s Outlook -材料少なくレンジ相場に終始

本日は、国内外で外為市場に大きな影響を与える重要経済指標や経済イベントは予定されていない。よって、円相場は株式にらみの展開となろう。

アジア時間の円相場は日本株にらみの展開となるだろう。米株の反発や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革案を背景に日本株は堅調に推移する可能性がある。しかし、米金利に再び低下圧力が強まる中では、ドル円の上昇はクロス円頼みとなろう。そのクロス円だが、株価動向に敏感に反応しやすいオセアニア通貨ペアだけでなく、ユーロ円がどの程度の水準までショートカバーが進行するか、この点にも注目したい。

欧州タイム以降も株式にらみの展開は継続しよう。焦点は米株の動向だが、続伸となれば円相場では円安優勢の地合いとなろう。一方、ドル相場だが、米金利に低下圧力がかかる中では「株高オンリーのリスク選好」を背景に、上値の地合いが継続しそうだ。また、ドル相場軟調地合いの時に、ユーロドルがどの程度まで買い戻されるかどうか、この点にも注視する必要があろう。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 103.00:レジスタンスポイント 102.31:200日MA
サポート 101.96:21日MA 101.80-90:一目/雲

上値は103.00を目先の上限とし、再び200日MA(黄ライン)を突破出来るかどうかが焦点となろう。下値は、21日MA(赤ライン)及び一目/雲が密集している101.95-101.80レベルの攻防に注目したい。下方ブレイクとなれば、8月8日安値101.51が次のサポートポイントとして浮上しよう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3454:21日MA 1.3433:8月8日高値
サポート 1.3350:サポートポイント 1.3333:8月6日安値

ショートカバー継続を想定したい。テクニカル面で注目されるポイントは、1.3455前後の21日MAだろう。このレベルを突破すれば、1.3500を目指す可能性が高まろう。一方、下値は1.3350レベルをローソク足の実体ベースで維持出来るかどうかが焦点となろう。

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