ユーロ相場、下落スピードの加速を想定

Market Overview-不透明感漂う米国株式

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5日の米国株式は反落。ダウ工業株30種平均は前日比139ドル81セント(0.8%)安の1万6429ドル47セントと、5月20日以来、2カ月半ぶりの安値をつけた。S&P500種株価指数やナスダック総合指数も軟調な地合いに終始した。一方、欧州株式は企業決算が好感され堅調に推移したものの、新興国株式は総じて軟調になる等、グローバル株式市場が不安定化した一日となった。株式の軟調地合いは外為市場での円高圧力を強め、NY時間以降はドル円、クロス円共に下落。一方、ドル相場は堅調な米経済指標の内容を好感し、新興国通貨や資源国通貨に対してドル買い優勢の展開となった。

昨日の値動きで気がかりなのが、米国株式の動向だろう。この日発表されたISM非製造業景況指数(7月)は58.7、と前月の56.0から上昇し、2005年12月以来の高水準となった。また、製造業新規受注(6月)も1.1%増と、こちらも2013年7月以来の大幅な伸びとなった。また、1日に発表されたISM製造業景況指数(7月)は2011年4月以来、3年3カ月ぶりの高水準となり、ミシガン大学消費者態度指数・確報値(同月)も上方修正される等、直近の経済指標はファンダメンタルズ改善を示す内容が続いている。それにもかかわらず米国株式は反落し、VIX指数は上昇傾向にある。夏休みシーズンを前にポジション調整が入りやすいという季節的要因に起因しているならば問題はない。

しかし、マーケットがファンダメンタルズ改善よりも、早期利上げ懸念の方を意識しているシグナルならば、強まりつつある円安圧力を急速に後退させる要因となろう。特にユーロ円の動向には注視しておきたい。明日は欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されるが、ドラギ総裁が域内のディスインフレ傾向について強い懸念を示すと同時に、さらなる緩和強化に向けシグナルを発信するならば、株安による円買い圧力と緩和強化によるユーロ売り圧力が合わさり、ユーロ円が円高ドライバーとなる可能性が高まるからだ。

また、下記『Today’s Outlook』で指摘しているユーロポンドの動向次第では、ユーロ相場全体の下落スピードを加速させよう。

Today’s Outlook -英経済指標とユーロポンド

材料不足の中、本日は、日本時間17時30分に発表される英経済指標とポンド相場の動向に注目したい。鉱工業生産指数(6月)と製造業生産指数(同月)は、共に前回よりも改善する見通しとなっている。市場予想以上ならば、ファンダメンタルズの回復とそれに伴う早期利上げ観測が意識され、ポンド買い圧力を強めよう。

特に注目すべきはユーロポンドだろう。直近2日の反落により、3月25日高値0.8394レベルを起点としたレジスタンスラインの突破が『だまし』となった事実は、ポンドの地合いの強さ(ユーロの地合いの弱さ)を示唆している。よって本日の経済指標の結果、英欧の金融政策のコントラスト(方向性の違い)が意識されれば、この傾向(ユーロ安/ポンド高)はさらに加速しよう。以前このレポートで指摘した重要サポートポイント0.7764(2012年7月安値)を目指すシナリオに変更はない。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 103.09:7月30日高値 103.00:レジスタンスポイント
サポート 102.25:200日MA 101.88:21日MA

上値の焦点は、7月30日高値103.10レベルの突破。一方、下値のそれは200日MA(黄ライン)の維持が焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況を確認すると、103.15にはオファーが観測されている。また、103.20上にはストップが観測されている。一方、ビッドは102.30から102.00にかけて断続的に並んでいる。

ユーロドル

レジスタンス 1.3411:10日MA 1.3396:5日MA
サポート 1.3367:7月30日安値 1.3320:一目/雲の下限(週足)

上値は目先、10日MAの突破が焦点。しかし、欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測がくすぶり続ける中では、10日MAの突破に成功しても、1.3450レベルの突破は難しいだろう。一方、下値は7月30日安値1.3367レベルでの攻防が焦点となろう。下方ブレイクした場合は、週足の一目/雲の下限が次の焦点として浮上しよう。尚、オファーは1.3450から1.3500にかけて断続的に観測されている。ビッドは、1.3350、1.3320そして1.3300レベルに観測されている。

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