リスクオンムード後退、円高圧力強まる可能性も

Market Overview-俄かに高まってきた円高リスク

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24日のダウ工業株30種平均、S&P500種 株価指数は高値警戒感と中東の地政学的リスクが意識され共に続落。米債券市場では安全資産への逃避需要が高まり金利が低下。一方、NY外為市場では円買い圧力が強まり、NY金先物8月限は5営業日続伸する等、リスクオンムードが俄かに後退し、本日の東京時間を迎えている。

政府は24日の臨時閣議で、日本経済復活に向けた「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」と新成長戦略を決定した。しかし、法人税の実効税率の引き下げや年金積立金管理運用独立行政法人(GIPF)の運用比率見直しといった内容は、事前に報道されていた範疇を超えるものではない。過去20年、日本経済成長のボトルネックとなってきた労働市場の改革に関しても中途半端な印象が否めない。よって、新成長戦略が海外投資家の再評価を受け、国内株式を再び上昇気流に乗せる起爆剤となることが出来るかどうかは不透明だ。

そして国内株式と同時に注視すべきは、円相場の動向だろう。イエレンFRBのハト派スタンス継続により、当面ドル高(ドル円の上昇)は期待出来ない。このタイミングで新成長戦略までが空振りとなれば、円高リスクを意識すべきだろう。目先、国内での注目イベントは、27日に発表される全国消費者物価指数(CPI)。米株式で高値警戒感が意識されさらに崩れる展開となれば、さすがに米金利への低下圧力も強まろう。且つ中東の地政学的リスクがくすぶり続けるタイミングで、CPIまでが黒田日銀のシナリオに沿って堅調な伸びを示せば、ドル円は下記で指摘しているテクニカルポイントをトライする展開となろう。また、域内の脆弱なファンダメンタルズとさらなる緩和強化が意識されやすいユーロ円でも下落幅が拡大しよう。

Today’s Outlook -株式&米経済指標にらみは変わらず

アジア時間の円相場は、株式にらみの展開となろう。その株式市場だが、米株式が続落した影響を受け、日経平均をはじめアジア株全体が軟調な地合いとなる可能性がある。株式市場でのリスクオフムードの高まりは円高圧力を強めよう。ドル円は101.70前後で推移している200日MAをトライする展開を想定したい。クロス円では、21日&200日MAの突破に失敗したユーロ円や、昨日のカーニー発言で早期の利上げ期待が後退したポンド円で下落幅が拡大する可能性があろう。

一方、経済指標では、引き続き米国のそれらに注目が集まろう。米株式で高値警戒感が強まる中、日本時間21時30分の1-3月期実質国内総生産(GDP、確定値)が市場予想を下回る内容となれば、さらにリスクオフムードを強めよう。その場合、米金利には低下圧力が強まり、円買い圧力に加えドル売り圧力も強まろう。逆に米GDPが予想外に強い伸びを見せれば、リスクオフムードが後退しよう。ただし、明日の個人消費支出(5月、PCEコア・デフレーター)や来週以降の重要経済指標を考えるなら、円売りやドルのショートカバーは限定的となろう。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.80:6月4日高値 102.21:89日MA
サポート 101.70:200日MA 101.00:サポートポイント

200日MA(黄ライン)を下限、89日MA(赤ライン)を上限と想定したレンジ相場は継続中。200日MAを下方ブレイクした場合は101.00が、89日MAを上方ブレイクした場合は、102.50&102.80(6月4日高値)が次の焦点として浮上しよう。102.20から102.80レベルにかけてはオファーが断続的に並んでいる。101.70から101前半にかけてはビッドとストップが混在している。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.3677:6月6日高値 1.3644:6月19日高値
サポート 1.3582:10日MA 1.3503:6月5日安値

上値は引き続き1.36ミドル&1.3670レベルの突破が焦点となろう。下値は10日MAがサポートラインとして意識されるかが注目される。このMAは今日現在、1.3580前後で推移している。尚、朝方のオーダー状況を確認すると、1.3640から1.3690にかけてはオファーとストップが混在。ビッドは1.3555から1.3520レベルにかけて断続的に並んでいる。

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