今週最大の焦点はECB理事会と米雇用統計

今週最大の焦点はECB理事会と米雇用統計

今週は、重要経済イベントが目白押しの一週間となっている。その中でもマーケットが最も注目するイベントは、6月5日の欧州中央銀行(ECB)理事会と6日の米雇用統計(5月)だろう。

前者に関しマーケットは、すでに「緩和強化」は織り込み済み。政策金利の引き下げのみでは逆にユーロの買戻し(ショートカバー)を誘発しよう。よって、今会合の焦点は「合わせ技」にあろう。政策金利の引き下げに加え、中銀預金金利のマイナス化、SMPの非不胎化そして銀行貸出促進にターゲットを絞った流動性供給といった総合的な緩和強化策を打ち出して来れば、先週反発基調が鮮明となった欧州株式のサポート要因となろう。一方、ユーロ相場の動向は読み難い。「緩和強化」は本質的にユーロの圧迫要因だが、それらの効果(特に利下げの効果)が早くも疑問視されていること、そして直近のユーロの下げも考えるなら、ECB理事会後、ショートカバー優勢の展開となる可能性がある。ユーロドルの焦点は、1.3645前後で推移している200日MAでの攻防となろう。ショートカバーの展開となってもこのMAがレジスタンスとして意識され、さらなる下値模索(重要サポートポイント1.3477ブレイク)となるかどうかは、米経済指標の内容が鍵を握るだろう。

 

Market Overview2-米経済指標、FEDのスタンスを変化させるか

その米経済指標だが、本日のISM製造業景況指数(5月)を皮切りに、週末の米雇用統計(同月)まで重要経済指標の発表が目白押しとなっている。

中でも注目は、やはり雇用統計だろう。非農業部門雇用者数の予想値は21.5万人。連邦準備制度理事会(FRB)の米ファンダメンタルズに対する将来の見通しを変更させるには、少なくとも25.0万人増となる必要があろう。継続的な雇用市場の改善が確認されると同時に、ISM指数をはじめとした各種経済指標も総じて市場予想を上回るならば、6月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)前に米債券市場ではイエレンFRBのスタンスに変化が生じる可能性が意識され、来週以降、米金利に対する低下圧力が徐々に後退(債券価格が下落)する展開が想定される。逆に総じて冴えない内容が続けば、米金利の低空飛行は続くだろう。そしてドル相場は、米経済指標と金利の動向に左右されるだろう。

円相場にとっても、米経済指標の内容はトレンドを大きく左右する要因となろう。米株高の土台であるファンダメンタルズ改善期待が継続すれば、円高圧力は相殺されよう。逆に米株が崩れるようだと、円高リスク再燃を意識する展開となろう。国際通貨基金(IMF)は30日、対日審査協議に関する声明を発表。ファンダメンタルズに基づいた現状の円相場に関して「評価は概ねバランスが取れている」と指摘。「多少過小評価されている」との見方を取り下げた。IMFの評価は多方面に影響を与えるが、このタイミングで米株高の土台となっているファンダメンタルズ改善期待まで後退すれば、ドル円は下記「Today’s Chart Point」で指摘している重要サポートポイント100.75を下方ブレイクする展開を想定する必要があろう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.36:5月13日高値 102.20:89日MA
サポート 101.44:200日MA 100.75:2月4日安値

レンジの上限は89日MA(赤ライン)、下限は200日MA(黄ライン)で変わらず。102円前半で上値の重い状況が続いていることを考えるなら、今週も下限(200日MA)ブレイクを想定しておきたい。200日MA以下の攻防へとシフトした場合は、再び重要サポートポイント100.75レベルの攻防が焦点として浮上しよう。

ユーロドル

レジスタンス 1.3700:レジスタンスポイント 1.3644:200日MA
サポート 1.3586:5月29日安値 1.3550:サポートポイント

200日MAがレジスタンスへ転換するかどうかを見極める一週間となろう。先週末はこのMAで上値が抑えられた。この状況が継続するならば、テクニカル面でもユーロ売り圧力が強まろう。目先の下値のポイントは1.3586(5月29日安値)。このサポートポイントを下方ブレイクすれば、1.35台の維持が焦点として浮上しよう。

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