ユーロドル、攻防分岐は基準線

Market Overview-基準線が示すドラギマジックの限界

欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、予想通り政策金利を据え置いた。ドラギ総裁は理事会後の会見で、脆弱な景気回復と長期化する低インフレに対して懸念を示すと同時に、ECBはユーロ圏の景気支援に向け、6月にも行動する用意があると示唆。金利据え置きに加え、会見当初はドラギ総裁から緩和強化に関するコメントがなかったことで、節目の1.4000手前まで上昇していたユーロドルだったが、「6月緩和」発言をきかっけに急落。だが、4月下旬以降、ユーロドルをサポートし続けている日足の一目/基準線(チャート画像:赤ライン)で下げ止まった事実は、ドラギマジックの効果が限界にきていることを示唆している。また、昨日の「基準線維持」は、ユーロドルのトレンド転換には、やはり「ドル買い」要因が必要であることも示している。

その「ドル買い」要因とは、言うまでもなく米金利の上昇(少なくとも低下圧力の後退)だ。しかし、イエレン連邦準備理事会(FRB)による低金利政策を背景に、昨日も短期ゾーンを中心に米金利の低下傾向は続いている。また、本日は米国の重要経済指標も予定されていない。よって、来週以降の米経済指標が総じて市場予想を上回るかどうかが、米金利の動向を左右するだろう。小売売上高(4月)をはじめとした米経済指標が総じて強い内容となれば、米金利への低下圧力とドル売り圧力が徐々に後退しよう。逆に冴えない内容が続くか強弱まちまちの内容となれば、米金利への低下圧力が続くことで、ユーロドルは基準線に絡んだ展開が継続すると思われる。

 

Today’s Outlook -材料難の中、注目は中国&英独経済指標

本日は、米国の経済指標や重要な経済イベントは予定されていない。よって、外為市場はレンジ相場に終始すると思われる。

アジア時間の注目材料は、中国の経済指標となろう。日本時間10時30分より中国の消費者物価指(4月、CPI)と生産者物価指数(同月、PPI)が発表される。昨日に続き中国の景気減速懸念を後退させる内容となれば、豪ドル相場を支援しよう。対ドルで0.94台、対円で96円台へ上昇出来るかどうかが注目される。

欧州時間では、ドイツの経常収支(3月)と英国の各経済指標に注目したい。前者は、貿易収支とともに経常収支の黒字も増加する見通しとなっている。市場予想以上の内容となれば、潜在的なユーロ買い需要の高まりをマーケットに意識させよう。一方、英国経済指標では、鉱工業生産指数(3月)や製造業生産指数(同月)が前回から落ち込む見通しとなっている。ポンド高をけん引してきた経済指標が予想以上に冴えない内容となれば、ポンド売り優勢となろう。しかし、FRBによる超低金利政策の継続やECBの緩和強化が意識されている状況を鑑みれば、対ドル、対ユーロでのポンド売りは限定的となろう。ポンド円は、株式動向次第となろう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.15:5月6日高値 102.00:レジスタンスポイント
サポート 101.20:サポートポイント 100.75:2月4日安値

100.75(2月4日安値)を起点としたサポートラインを突っ掛ける状況が継続している。完全に下方ブレイクすれば、サポートポイント101.20を視野に入れる展開となろう。101.20レベルをも下抜ける展開となれば、100.75を目指す展開を意識したい。上値は、5月6日高値102.15レベルを突破出来るかが焦点。同じレベルには21日MAが推移している。

ユーロドル

レジスタンス 1.3967:3月13日高値 1.3900:レジスタンスポイント
サポート 1.3833:一目/基準線 1.3800:サポートライン

本日最大の焦点は、一目/基準線(赤ライン)での攻防となろう。4月下旬以降の状況が継続すれば、1.39台を目指す展開となろう。一方、基準線の完全なる下方ブレイクは、さらなるユーロ安/ドル高加速のシグナルと捉えたい。1.3800とクロスしている長期サポートラインが次の焦点として浮上しよう。

 

Today’s Chart 

ドル円チャート
ユーロドルチャート

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