焦点は日米金融会合よりも欧米経済指標に

 

Market Overview-日米金融政策は無風

29日の米株式市場では、好調な企業決算を背景にダウ工業株30種平均は続伸。S&P500種株価指数も同様の展開となった。また、主要な欧州&新興国株式も底堅さを維持したことで、外為市場では株高を背景とした円安優勢の展開に。ドル円は102.80手前まで上昇した。一方、4月の独消費者物価指数(速報値)が市場予想を下回ったことでユーロにも売り圧力が強まった。ユーロドルは再び1.3800を視野に下落(安値1.3806レベル)。ユーロ円も142円台へ上昇する局面も見られたが、ユーロドル下落の影響を受け、NYタイム後半は141円後半で上値が抑えられ、そのまま本日の東京時間を迎えている。

今日以降の外為市場は、日米の金融政策や各国経済指標によってトレンドが左右されよう。前者の日米金融政策だが、今回の日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)は、直近の黒田総裁やイエレン議長の言動そして経済指標の内容を鑑みれば、サプライズなしで通過する可能性が高い。それでも日本時間15時に公表予定の「展望リポート」にはマーケットの関心が集まろう。向こう2年の経済や物価情勢が日銀のシナリオに沿って推移する内容となれば、追加緩和期待の後退を背景に円高圧力を強める要因となろう。しかし米国株式で底打ち感が強まっていることもあり、そのような展開となっても円買いは限定的だろう。

一方、FOMCだが、今回の会合では経済見通しは示されず、記者会見も予定されていない。よって、これまでのTaperingペースを維持するだろう(550億ドル→450億ドル)。直近の経済指標には改善傾向が見られるが、喫緊に金融政策の調整を要する内容でもないことから、声明文にも大きな変更はないだろう。

 

Today’s Outlook -焦点は欧米経済指標に

本日は、日米の金融政策よりも欧米の経済指標に注目する一日となろう。日本時間18時に4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP、速報値)が発表される。昨日の独CPIが予想外に下振れたことが嫌気されユーロ売り圧力が強まっているタイミングで、本日のユーロ圏CPIでも市場予想の+0.8%を下回る内容となれば、次回欧州中央銀行(ECB)理事会での緩和強化をマーケットは意識しよう。そのような状況となれば、ユーロドルは下値を模索する展開となろう。逆に市場予想以上ならば、ユーロ売り圧力は後退しよう。

そしてNYタイムでは日本時間21時30分に発表される1-3月期の米実質国内総生産(GDP、速報値)に注目が集まろう。市場予想は+1.2%前後。前回の+2.6%から大きく落ち込む見通しとなっている。寒波の影響が予想外に限定的である内容が示されれば、米国株式にとってはポジティブ要因となろう。株高は米金利の低下圧力を後退させ、外為市場では円売り&ドル買い優勢の展開を想定。また、上記のユーロ圏CPIが下振れた場合は、将来の金融政策の方向性の違いを背景に1.3730前後で推移している89日MAレベルまで反落する展開を想定しておきたい。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.79:4月29日高値 102.73:一目/基準線(日足)
サポート 101.80:サポートポイント 101.20:サポートポイント

上値は引き続き、日足の一目/基準線の攻防が焦点。上方ブレイクの場合、昨日高値もしくは89日MAが次の焦点として浮上しよう。下値は目先、101.80レベルを維持出来るかどうか注目。下方ブレイクした場合は、重要サポートポイント101.20トライの可能性を意識したい。

ユーロドル

レジスタンス 1.3871:4月29日高値 1.3865:4月17日高値
サポート 1.3789:一目/基準線 1.3732:89日MA

1.38ミドル超えでの売り圧力は相変わらず。焦点は、17日&29日に付けた高値を完全に突破出来るかどうかだろう。一方、下値は目先、一目/基準線での攻防に注目したい。朝方のオーダー状況だが、1.3800&1.3760-1.3750レベルには厚いビッドが観測されている。オファーは1.38後半から1.3900にかけて観測されている。

 

Today's chart

ドル円チャート
ユーロドル

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