円相場は米株の影響をより強く受ける環境に

Market Overview-日本株は海外頼みに

朝方、日経新聞は環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米間の閣僚級協議を見送ることになったと報道。大筋合意の期待もあっただけに、海外投資家に安倍政権の経済政策手腕に疑問符を抱かせる結果となった。また、異次元緩和は為替をターゲットにしているだけに、今後政治面で米国サイドから圧力がかかる可能性もあろう。

また、国内株式への影響にも注視したい。TPP交渉がまとまらず、日本経済の潜在成長力を高めるための成長戦略を打ち出すことも出来ない現政権に対する失望から、今後売り圧力が強まる可能性があろう。言い換えれば、日経平均が上昇トレンドを維持出来るかどうかは、海外動向、特に米国市場の動向に頼り切らざるを得ない状況に陥る可能性が高まったと考えられる。このため、円相場のトレンドはリスクオンの先導役である米国株式の動向に、より強く影響されることになろう。

その米国株式だが、昨日は米企業決算や経済指標は強弱まちまちの内容となったことを受け、目立ったトレンドは見られず。本日も企業決算にらみの展開となろう。総じて好調な内容ならば、米株の下支え要因となろう。一方、リスク要因では、ウクライナの地政学的リスクに注視したい。昨日の米債券市場ではこのリスクが意識され米金利は全体的に低下。NY金先物(6月限)も続伸しており、ウクライナ情勢次第では、その影響が米国株式に波及する可能性もある。

 

Today’s Outlook -レンジ相場継続か

市場の関心が来週のイベントに向かう中、本日の外為市場はレンジ相場に終始する可能性が高い。円相場は引き続き株式市場にらみの展開となろう。8時30分に全国消費者物価指数(3月、CPI、生鮮食料品除く)が発表された。TPP交渉が暗礁に乗り上げ失望感が広がっているタイミングで、CPIが市場予想を上回れば追加緩和への思惑も後退することで、日経に下落圧力がかかる可能性があったが、市場予想+1.4%に対して結果は+1.3%。円相場は円売りで反応。米株式で底打ち感が強まっていることも考えるなら、本日は日経の反転が期待できよう。だが、来週以降、重要イベントが控えていることを考えるなら、日経も円相場もレンジ相場で終始する可能性があろう。

海外時間では、ウクライナを巡る地政学リスクに焦点が集まろう。ウクライナ軍が東部で親ロシア派と衝突する等、再び不透明感が強まる中、底打ち感を強めている欧米株式を圧迫すれば、リスクオフムードが他の市場にも波及しよう。そのような展開となれば、米金利への低下圧力が強まることが想定され、ドル相場は軟調に推移しよう。しかし、米ファンダメンタルズの回復は緩やかながらも続いており、上述したように来週には重要イベントが控えていることを考えるなら、ドル相場でも大きな値動きは見られないと思われる。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.91:89日MA 102.73:一目/基準線(日足)
サポート 102.00:サポートポイント 101.45:一目/基準線(週足)

引き続き日足の一目/基準線(赤ライン)の攻防が焦点。今日現在、102.73レベルで推移しているこのテクニカルを突破すれば、次の焦点は、89日MA(青ライン)の突破がとなろう。一方、下値は102円台の維持が焦点。101円台へ反落した場合は、週足の一目/基準線での攻防に注目。朝方のオーダー状況だが、102.70から103.10レベルにかけてはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは102.00に観測されている。101.80レベルと101.50レベルにもそれぞれ厚いビッドの観測がある。

ユーロドル

レジスタンス 1.3891:ボリンジャー上限 1.3865:4月17日高値
サポート 1.3800:21日MA 1.3745:サポートライン

221日MAを巡る攻防が続いている。このMAを下方ブレイクすれば、1.3745前後まで上昇しているサポートラインを視野に入れる可能性が高まろう。一方、上値は目先1.3865(4月17日高値)の突破が焦点となろう。1.3860レベルから1.3900にかけてはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは、1.3780レベルから1.3750にかけて観測されている。

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