イエレンFRB議長のスタンスに注目

Market Overview-米経済に対する見方に変更はあるか

26日の米国株式でダウ工業株30種平均は反発し、S&P500種株価指数は一時、終値ベースでの過去最高値を上回る展開となった。欧州株 式はウクライナとロシア間における地政学的リスクの緊迫化を受け上値の重い展開に。対照的に欧州債券市場では、安全資産への妙味から独連邦債利回りが約3週間ぶりの水準まで低下した。一方、新興国市場も総じて軟調な地合いとなる等、グローバル株式市場ではリスクオンとオフが入り混じる展開となったため、外為市場では円の売り買いが交錯する状況が続いた。

本日より外為市場、特にドル相場は上下に大きく振れる可能性がある。注目は、大雪のため延期されていたイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による上院銀行委員会議会証言(NY時間午前10時、日本時間午前零時)だろう。当初予定されていた日より約2週間が経過し、その間発表された米経済指標は、 小売売上高や住宅関連指標をはじめ、総じて冴えない内容が続いている。このような状況の中、マーケットは先に下院議会証言で示された米経済の状況について、イエレン議長が捉え方(スタンス)を変更してくるかどうか、この点に注目している。具体的には、直近の経済指標の下振れが、どの程度異例の寒波による 影響と見なすかどうかが焦点となろう。天候要因による一時的な下振れとの認識を示すならば、現行の量的緩和(QE3)縮小ペースの維持があらためてマー ケットで意識されるだろう。再び緊迫化しているウクライナ情勢と欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測を考えるならば、ユーロドルはさらに下値を模索 する展開となろう。円相場は株式次第だが、米経済に対する強気の見方は米株式を下支えする公算が大きいことから、ドル円・クロス円共に上値トライの展開と なる可能性が高いだろう。

逆に寒波以外の要因(新興国リスク等)も経済指標の下振れの原因となっており、それが今後、労働市場改善の後退とインフレ率の上昇を抑える要因になると指摘すれば、再びドル売り圧力が強まろう。ドル円は米金利低下の影響を受け、102円前後で上値の重い状況が継続しよう。

また、本日はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が、ドイツのフランクフルトで開催される金融の安定と中銀の役割に関するシンポジウムで発言する予定 となっている。直近のユーロ圏経済状況、特にインフレ動向に関する言及の有無が注目されるだろう。あらためて域内のディスインフレ懸念を表明すれば、 「ECBによる行動」が意識されユーロ売り要因となろう。

今日のチャート

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Today’s Outlook -経済指標もドル買い継続の鍵

イエレン証言以外で注目すべきは、やはり米国の経済指標だろう。昨日発表された1月の新築一戸建て住宅販売 (季節調整済み、年率換算)は前月比9.6%増の46万8000戸と、2008年7月以来の高水準となった。この好結果に外為市場はドル買いで反応。ドル インデックスはかろうじて80.00の節目を維持する展開となっている。本日は、木曜日恒例の新規失業保険申請件数が発表される。寒波の中でも労働市場の 改善傾向が示されれば、ドル買い圧力が強まろう。耐久財受注(1月)は外為市場を動かすインパクトはないが、米株式を動かす可能性が高いだろう。結果を受 け、米株高維持となれば米金利に上昇圧力が強まることでドル買い圧力が強まろう。ドル円は、株高による円売り圧力と米金利上昇によるドル買い圧力により、 目先の重要レジスタンスポイント102.80レベルを突破する可能性が高まろう。一方、ユーロドルは重要レジスタンスポイント1.3775レベルをトライ する可能性が高まろう。

逆に米株の下落要因となれば、ドル円は102円前半のテクニカルエリアを下方ブレイクし、日足のサポートラインを目指す可能性が高まろう。

 

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス

103.00:レジスタンスポイント

102.80:一目/基準線

サポート   

102.11:一目/転換線

101.70:サポートライン

→日足の一目/基準線(チャート画像:黄ライン)102.80レベルを突破し、103円台へ到達できるかが注目される。 103.00&103.20上ではストップの観測あり。一方、下値は目先、102円前半で推移している一目/転換線(チャート画像:赤ライン)、 101.70レベルにあるサポートラインを維持できるかが注目される。102.70から103.00にかけては実需も含めたオファー、102.00から 101.50にかけてはビッドが断続的に観測されている。

ユーロドル

レジスタンス

1.3800:レジスタンスポイント

1.3775:1月2日高値

サポート   

1.3662:2月26日安値

1.3600:サポートポイント

→上値の焦点は、今年最高値1.3775レベルの突破で変わらず。直近はこのレジスタンスで上値が抑えられ、1.37台を下方ブレイクする展開と なった。一方、下値は目先、2月26日安値1.3662の攻防に注目したい。尚、1.3775から1.3800にかけては短期筋の厚いオファーが並んでい る。1.3660から1.3600にかけては断続的にビッドが並んでいる。

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