注目はイエレン発言

Market Overview-円安トレンドは維持

昨日公表された日銀展望リポートでは、目標とする2%の物価上昇率は2015年度中に実現するとした。そして2016年度は2.0%を超え、2.1%に達する強気の見通しを示した。直近の黒田総裁の言動も鑑みれば、現状では追加緩和なしに「異次元緩和」の目標達成を成し遂げることが出来る自信を黒田日銀は示したかたちとなった。日本経済の潜在成長率を上げるための成長戦略(構造改革)を未だ打ち出せず、追加緩和期待も後退した今、世界の株式と比較し今後日本株のパフォーマンス低下が鮮明となる可能性が出てきた点は要注意。しかし、日本株の動向が円買い局面を誘発しても、リスクオンの先導役である米国株式が崩れない限り、ドル円が節目の100円を割り込むような円高局面へ突入する可能性は低いだろう。

その米国株式でダウ工業株30種平均は、前日比45ドル47セント(0.3%)高の1万6580ドル84セントと過去最高値を更新。S&P500種 株価指数も前日比0.3%高の1883.87で終了する等、堅調さを維持している。背景には、改善傾向を示す経済指標とFRBの姿勢がある。後者では、注目された昨日の連邦公開市場委員会(FOMC)は大方の予想通りでサプライズはなし。ただ、第一パラグラフでは、経済成長と回復について若干ながらも上方修正が見られた。経済指標の改善が続けば、連邦準備理事会(FRB)はこれらの点に関してより自信を示すだろう。そして米ファンダメンタルズ改善期待を背景に米株は史上最高値圏を維持する可能性が高いだろう。さらにマーケットは金融政策におけるFRBのポジションも改めて認識することで、米金利への低下圧力は徐々に後退していこう。米金利が緩やかに上昇し始めればドル円は現在のこう着状態を脱し、103円ミドル前後で推移しているレジスタンスラインを視野に入れる展開になると想定している。


Today’s Outlook -イエレン発言に注目

本日の外為市場は、米雇用統計発表前ということもありレンジ相場で推移する可能性があろう。円相場の焦点は株式動向、ドル相場の焦点は米金利の動向となろう。
アジア時間の注目材料は、日本時間10時の中国の製造業購買担当者景気指数(4月、PMI)。海外時間では米国の各種経済指標、特に米新規失業保険申請件数、個人消費支出(3月、PCE)そしてISM製造業景況指数(4月)となろう。それぞれの内容次第で、リスクセンチメントが左右されよう。
しかし、米中経済指標以上に注目すべきは、イエレンFRB議長の講演だろう。雇用情勢に対する慎重な見方と低インフレ懸念を示せば、ハト派スタンス継続とマーケットは受け取り「米株高+金利低下」を背景に円相場は円安優勢、ドル相場はドル安優勢の展開となろう。サプライズはやはりタカ派スタンスと受け取られかねない発言をした場合だろう。この場合、株安を誘発する可能性があることから「米株安+金利上昇」を背景にドル&円買いの展開を想定したい。ドル円はこれら圧力が相殺し合うも、米株安の影響を受け円高優勢の展開になると考えられる。
しかし、3月31日の講演でイエレン議長自ら労働市場回復の鈍さを強調したこと、そして4月16日のニューヨーク公演で低インフレ懸念について表明したことを考えるなら、” タカ派サプライズ”の可能性は低いと考える。


Today's Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.80:89日MA 102.73:一目/基準線(日足)
サポート 101.80:サポートポイント 101.50:サポートライン

上値は引き続き、日足の一目/基準線(黄ライン)の攻防が焦点。上方ブレイクの場合、89日MA(赤ライン)が次の焦点として浮上しよう。下値は目先、101.80レベルを維持出来るかどうか注目。下方ブレイクした場合は、サポートラインの維持が注目される。尚、朝方のオーダー状況だが、オファーは102.75から102.90台にかけて断続的に観測されている。ビッドは102.00以下から101.50にかけて並んでいる。

ユーロドル

レジスタンス 1.3900:レジスタンスポイント 1.3875:レジスタンスライン
サポート 1.3800:サポートポイント 1.3790:一目/基準線

本日、最大の焦点はレジスタンスラインの突破。これに成功すれば、1.39台再上昇の可能性を意識したい。下値は1.38台の維持が焦点だろう。朝方のオーダー状況だが、1.3880から1.3910にかけてはオファー優勢。1.3775から1.3750にかけてはビッド優勢となっている。


Today's Chart

ドル円
ユーロドル

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