重要度増す米国経済指標

Market Overview-米金利動向、新たなリスク要因となるか

米連邦準備理事会(FRB)は18-19日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、実質ゼロ金利の維持と債券購入額を月額650億ドルから550億ドルに減額することを決定した。また、利上げのトリガーとなる数値基準(失業率6.5%)を撤廃し「フォワードガイダンス」も全面的に修正してきた。

今回の決定は大方の予想通りとなったが、米国マーケットは「株安・金利上昇・ドル高」で反応。昨日の当レポートでは、イエレンFRBが超低金政策の維持を強く示すことで「株高・金利低下・ドル安」になる可能性があると指摘した。しかし、実際の反応は真逆となった。マーケットが、米国の早期利上げリスクを意識したためだ。イエレン新議長は記者会見で、量的緩和の終了時期について「今秋頃」と指摘し、「利上げ時期」については「その後6ヶ月程度」と具体的に示唆。また、今回公表されたFOMCの政策金利(FFレート)予測中央値は、2015年末時点で1%、16年末で2.25%と、昨年12月時点の0.75%(15年末)、1.75%(16年末)から上方修正された。遠いゴールと思われていたFRBによる利上げ時期が徐々に明確化されてきたことで、将来の金融政策の動向を反映しやすい米2年債利回りは一時、2011年以降で最大の上昇となった(債券価格は急落)。

今月7日の米雇用統計後の米金利上昇を受け、今後は米金利の動向が新たなリスク要因となる可能性を指摘したが、そのリスクが現実味を帯びてくるかどうかは、今後の米国経済指標だろう。実際に利上げが実施される2015年までに、米国経済の持続的な回復が具体的な数値で確認されるならば、米国株式が史上最高値圏を維持することで米金利リスクは短期的な現象に留まる可能性があろう。逆に、総じて市場予想を下回る内容が続き、FRBの早期利上げ懸念が強く意識される状況となれば、米金利の動向が新たなリスク要因として意識されよう。そしてグローバル金融市場では、現在の不安定な「綱引き」状態が継続しよう。また、米国リスクの悪影響を最も被るのは、ファンダメンタルズが脆弱な新興国市場となろう。

 

今日のチャート

ドル円
ユーロドル

 

Today’s Outlook -注目は引き続き米国経済指標

その米国経済指標だが、本日は日本時間21時30分の新規失業保険申請件数を皮切りに、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(3月)、中古住宅販売件数(2月)そして景気先行指標総合指数(同月)が順次発表される。注目は前者2つの経済指標だろう。雇用や製造業の回復が示されれば、寒波の影響による米国経済の失速は一時的な現象であるとの思惑が強まり、逆に持続的な景気回復が意識されよう。米国株式はポジティブに反応すると思われる。株式が堅調さを取り戻せば、米金利が上昇してもリスクオン優勢の展開となる可能性が高い。外為市場では、ドル高&円安トレンド優勢の展開になると思われる。

尚、日本時間16時15分より黒田日銀総裁の講演(金融経済情勢と金融政策運営)が予定されている。発言内容次第で、円相場の変動要因となる可能性があるため注視したい。

 

Today's Chart Point

ドル円

レジスタンス 103.00:レジスタンスポイント 102.49:一目/転換&基準線(日足)
サポート 101.00:一目/基準線(週足) 100.75:2月4日安値

→日足の一目/転換線(赤ライン)&基準線(黄ライン)を完全に上方ブレイクすれば、103.00が視野に。テクニカル面では103.35前後で推移しているレジスタンスラインを突破出来るかが注目される。一方、下値は101円台の維持が目先の焦点として変わらず。下方ブレイクした場合は、100.75が次のサポートポイントとして浮上しよう。102.50から103.00にかけてはオファーが断続的に並んでいる。101円前半から100.50にかけてはビッドとストップが混在する状況となっている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3900:レジスタンスポイント 1.3883:10日MA
サポート 1.3811:21日MA 1.3780:リトレースメント38.20%

→目先の焦点は、10日MA(黄ライン)をトライするか21日MA(緑ライン)を下方ブレイクするか。昨日、大陰線が出現したことを考えるなら、21日MAブレイクを意識しておきたい。1.37台への攻防へとシフトした場合、直近高安のリトレースメント38.20%が次のサポートポイントとして浮上しよう。尚、1.3950にはオファーが観測されている。1.3810から1.3750にかけてはビッドが断続的に並んでいる。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。