マーケットの焦点は来週以降の米経済指標に

Market Overview-ドル円のトレンドを左右する米金利

イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は27日、上院銀行委員会で証言を行った。記録的な寒波が米経済に及ぼす悪影響については今後見極めてい く必要があると指摘したものの、経済見通しに大幅な変化が生じない限り、現行の緩和縮小を維持すると発言。また、米国の景気回復に言及しつつ、緩和的な金 融政策が当面は適切であり続けるとも指摘した。

証言内容自体に特段の目新しい材料はなかったが、イエレン議長があらためて米景気回復と超低金利政策の維持を示唆してきたことで、27日の米株式は 史上最高値圏での攻防が続いた。米株式が堅調さを維持したことで、ロンドン時間に見られた円買いトレンドは一服し、NY外為市場では円売り圧力が強まっ た。ユーロ円は140円台、ポンド円は170円台、豪ドル円は91円台をそれぞれ回復。

しかし、ドル円は引き続き102円台でのこう着状態が継続している。この背景にあるのは、米金利の動向だ。米国債券市場では、緊迫化するウクライナ 情勢(クリミア半島の分離独立を巡る地政学的リスク)や中国の景気減速懸念が意識され、米金利に低下圧力がかかりつづけている。また、FRBによる超低金 利長期化観測もしばらくは米金利への低下圧力を強める要因となろう。株高は円売り圧力が強めるが、米金利の上昇によるドル高圧力もドル円上昇の必須条件で ある以上、米金利の低下傾向が続く限り、ドル円のレンジ相場も続くだろう。

米株と米金利が共に上昇する「真のリスクオン」となるには、やはり米経済指標の内容が重要な焦点となろう。来週以降、雇用統計(2月分)をはじめ、 米国の景気動向を見極める上で重要な経済指標が発表される。3月18-19日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)までに発表される経済指標 が総じて強い内容となれば、FRBは記録的な寒波の影響は一時的なものであり、2013年末の経済見通し通りに米経済が持続的に改善していくことを示唆す るだろう。そして、マーケットでも持続的な景気回復期待が再び強まることで、米金利の上昇とドル買い圧力を強める要因となろう。その過程でドル円は、目先 のレジスタンスポイント102.80レベルを突破し、上値トライのムードが鮮明となろう。

今日のチャート

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Today’s Outlook -注目はユーロ圏インフレ率

本日も日米欧で経済指標の発表が目白押しとなっている。最も注目すべきは、ユーロ圏の消費者物価指数(2月、HICP、速報値)だろう。昨日発表さ れたドイツ消費者物価指数(2月、CPI、速報値)は市場予想を下回る0.5%増。ドイツ国内の低インフレ傾向が域内のそれをも押し下げる可能性がある。 市場予想の0.7%増以下となれば、マーケットは欧州中央銀行(ECB)による追加利下げを意識しよう。緊迫化するウクライナ情勢も考えるなら、ユーロド ルは1.36前半で推移している一目/雲の下限(日足)を下方ブレイクし、1.35台の攻防へシフトする可能性が高まろう。

一方、東京時間前には日本の全国消費者物価指数(CPI)も発表される。予想外に下振れるようだと、日銀による追加緩和観測が台頭することで、円売り圧力を強める可能性がある。

また、NYタイムでは10-12月期 実質国内総生産(GDP、改定値)の内容に注目したい。速報値の3.2%増から2.5%増へ下方修正される見通しとなっているが、予想外に下振れるようだ と寒波が直撃した1QGDPへの悲観的な思惑までが強まることで、米金利の低下とドル売りを誘発する可能性があろう。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス

103.00:レジスタンスポイント

102.80:一目/基準線

サポート   

102.11:一目/転換線

101.75:サポートライン

→日足の一目/基準線(チャート画像:黄ライン)102.80レベルを突破し、103円台へ到達できるかが注目される。 103.00&103.20上ではストップの観測あり。一方、下値は目先、102円前半で推移している一目/転換線(チャート画像:赤ライン)、 101.75レベルにあるサポートラインを維持できるかが注目される。102.70から103.00にかけては実需も含めたオファーが観測されている。 ビッドは、101.50レベルに観測されている。

ユーロドル

レジスタンス

1.3800:レジスタンスポイント

1.3775:1月2日高値

サポート   

1.3625:89日MA

1.3600:サポートポイント

→上値の焦点は、今年最高値1.3775レベルの突破で変わらず。直近はこのレジスタンスで上値が抑えられ、1.37台を下方ブレイクする展開と なった。一方、下値は、1.36台の維持が焦点となろう。テクニカル面では1.3620台で推移している89日MAでの攻防に注目したい。尚、 1.3775から1.3800にかけては短期筋の厚いオファーが並んでいる。1.3640から1.3600にかけては断続的にビッドが並んでいる。

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