G20は無難に通過、焦点は引き続き米国の景気動向

Market Overview-ドル売りリスクは内包するも、中長期でのドル高見通しは変わらず       

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は23日、G20の成長率を今後5年で2%以上の押し上げを図ることで合意に達し、閉幕した。異 例の数値目標を設定した背景には、各国の構造改革を推し進めることで、持続的な世界経済の成長を促す目的がある。日本に関して言えば、第3の矢、つまり成 長戦略がそれにあたるだろう。G20に先立ち、米国のルー財務長官は麻生太郎副総理兼財務相との会談で、内需拡大のため「第3の矢」として成長戦略を実行 することを求めた。「成長戦略」とは、詰まる所、硬直的な国内の労働市場や税制の改革、そして規制緩和による新たな成長分野の開拓である。一言で言うな ら、「構造改革」だ。ルー財務長官がこの点について改めて指摘してきたことは、遅々と進まない日本国内の構造改革に米国側が苛立ちを募らせ始めていること を示唆している。消費増税が控えている以上、安倍政権は構造改革を推し進めることで国内成長を促す必要性に迫られるだろうが、現時点で米国側を納得させる だけの改革が打ち出せていないだけに、今度の米国側が安倍政権の経済政策に対して厳しい見方を示せば、円高へ振れるだろう。

一方、今回のG20では各国の金融政策も議題となった。特に注目されたのは米国のそれだったが、新興諸国からこの点に関して表立った批判は出ず、米 国が今後の金融政策の運営について詳細且つ丁寧な説明を行うと同時に、新興諸国自身も構造改革に取り組むことで一致。事実上、米国の金融政策を黙認した格 好となったことで、中長期的スパンでのドル高トレンドは続く可能性が高まったと言える。

しかし、短期的には異例の寒波による米景気の失速懸念が意識されることで、ドル売りが散見されよう。今週も各種経済指標が発表されるが、注目は28 日の10-12月期実質国内総生産(GDP、改定値)だろう。速報値の3.2%から2.6%前後へ下方修正される見通しとなっている。予想以上に下振れた 場合、米金利に低下圧力が強まることで、ドル相場も軟調な地合いとなろう。ドルインデックスは節目の80.00を完全に下方ブレイクし、重要サポートポイ ント79.00を目指す可能性が高まろう。逆に、GDP改定値も含めた経済指標が総じて予想以上の結果となれば、ドルインデックスは80.00を維持する 状況が続くだろう。

今日のチャート

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ドル円 出所:ProRealTImeチャート

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ユーロドル 出所:ProRealTImeチャート

Today’s Outlook -ユーロ圏経済指標に注目

円相場は、引き続き株式市場にらみの状況が続くだろう。リスクオンの先導役である米国株式は、史上最高値圏で一進一退の攻防が続いている。先週末は 冴えない住宅関連指標の結果を受け、主要3市場は揃って反落したものの、直近の冴えない経済指標にも関わらず、底堅い展開が続いている印象だ。日経平均が 先週末の流れを引き継ぎ底堅い展開となれば、円相場も円安優勢の展開となろう。逆に日経平均が軟調な地合いとなれば、円高優勢の展開となろう。ただ「急 落」ではなく、「反落」程度ならば円買いは限定的となる可能性が高いだろう。

経済指標で注目すべきは、独IFO企業景況感指数(2月)だろう。米金利に低下圧力がかかり続ける中、市場予想を上回る内容となれば、ユーロドルは 重要レジスタンスポイント1.3775をトライする展開となろう。また、消費者物価指数(HICP、1月)の内容にも注視したい。改定値が予想通りなら マーケットへのインパクトは限られるだろう。しかし、下方修正されるようなことがあれば、欧州中央銀行(EBC)による追加緩和観測を強めよう。ドラギ ECB総裁は23日のG20終了後、ディスインフレリスクが強まる場合、「行動を取る意思と用意がある」と示唆している。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス

103.00:レジスタンスポイント

102.80:一目/転換線

サポート   

101.70:一目/雲の下限

101.55:サポートライン

→日足の一目/基準線(チャート画像:赤ライン)101.80レベルを突破し、103円台へ到達できるかが注目される。 103.00&103.20上ではストップの観測あり。下値は、101.70前後で推移している日足の一目/雲の下限を維持できるかが焦点となろう。 102.00以下からは断続的にビッドが並んでいる。

ユーロドル

レジスタンス

1.3800:レジスタンスポイント

1.3775:1月2日高値

サポート   

1.3685:2月20日安値

1.3650:サポートポイント

→目先の焦点は、今年最高値1.3775レベルの突破だろう。直近は、このレジスタンス手前で上値の重い状況が続いている。一方、下値は、2月20 日安値1.3685を維持できるかが注目される。尚、1.3775から1.3800にかけてオファーエリアとなっている。ビッドは、1.3650以下より 断続的に並んでいる。

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