10月の株式相場に要注意

アナリストの視点-10月の株式市場は荒れ相場?

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昨日のグローバル株式市場はリスク選好優勢の展開に。欧州株式は欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測を背景に大幅反発。中国政府が小型車への減税措置を発表したことで自動車株が上昇したことも相場をサポートした。アジア&欧州株高を受け米国株式も大幅に続伸。この日発表された9月のADP雇用統計が市場予想を上回ったことも下支え要因となった。
海外外為市場では、世界的な株高とECBによる緩和強化観測を背景に、ユーロが売られる展開に。EUR/USDは1.12割れ、EUR/JPYは135円台から133円ミドル付近まで急落する展開となった。

直近のグローバル株式市場は、リスク選好と回避の綱引き相場となっている。興味深いのは続伸中の米国株式とは対照的に、米金利は低下傾向が続いていることだ。昨日のレポートでも指摘した通り、直近の米債券市場の動向はイエレンFRBの年内利上げスタンスに対して相当懐疑的になっていることを示唆している。米金利の上昇が抑制される状況が続く中ではドル高には期待できない(ドルインデックスは96.50レベル、USD/JPYは121.00で上値がレジストされる状況が継続中)。この状況を打破するためには、明日の9月米雇用統計が良好な結果となり且つ米国株式市場が素直に株高で反応するという2つの条件をクリアする必要があろう。

ただ、後者の点に関し10月の株高には期待できないかもしれない。株式相場の歴史を振り返ると1929年のニューヨーク株式大暴落、1987年のブラックマンデーはともに10月に発生している。また、世界金融危機を背景とした株式市場の混乱時を振り返ると、2008年10月のダウ平均月間騰落率は約14%、日経平均にいたっては約23.80%と記録的な下げとなった経緯がある。
今年の10月は、①米利上げ時期の不透明感が増していること(米金融引締めリスクがくすぶり続けていること)、②中国の景気減速への警戒感が高まっていることそして③資源価格の低迷がタイミング悪く重なる中、主要な米国企業の四半期決算を迎える。11月以降、決算を控えるヘッジファンドの動向も考えるならば、10月の株式市場が荒れることで、リスク回避圧力が今夏同様強まってもおかしくないだろう。その場合、外為市場では円高が加速する展開となり、USD/JPYは「株安/米金利低下」のダブルショックを背景に115円台へ突入する可能性もあろう。


本日の焦点-後退する異次元緩和の優位性

上記の通り、昨日は世界的な株高となった。しかし、円相場での円売りは限定的。特に筆者が興味を惹いたのが、EUR/JPY下落だった。日銀&ECBによる緩和政策の導入により円とユーロは資金調達通貨としての利用価値が増したことで、同じトレンドを描く局面が散見されるようになった。
しかし、昨日のEUR/JPY下落は、ECBによる緩和強化観測を背景とした日独利回りスプレッドの拡大傾向がその要因にあると考えらる。これらの動向は、明らかに日銀による追加緩和の優位性の後退を示唆している。3四半期ぶりに悪化たした日銀短観(大企業製造業景況感)の結果を受けて尚、黒田総裁が従来のスタンスを崩さないようならば、異次元緩和の優位性がさらに後退しよう。また、10月の株式相場が荒れる展開となれば、投資家のリスク許容度がさらに縮小することで、今月の外為市場では円が最強通貨となる可能性があろう。
 

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.90:200日MA(青ライン) 120.23:一目/転換線(黄ライン)
サポート 119.30:短期サポートライン 119.00:サポートポイント

引き続き119.00-121.00のレンジを想定。上下のチャートポイントは上記の通り。2日連続して日足の転換線で上値が抑えられたことで、目先は119.00割れを警戒する必要があろう。
尚、直近のオーダー状況だが121.00にはオファー、119.50及び119.00にはビッドの観測がある。119.20下にはストップの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1280:レジスタンスポイント 1.1218:一目/転換線(赤ライン)
サポート 1.1151:89日MA(緑ライン) 1.1140:短期サポートライン

本日は下限を1.11ミドル、上限を日足転換線と想定したい。攻防分岐は89日MA及び短期サポートラインが密集している1.11ミドルとなろう。この水準の維持に成功した場合は、1.1100-1.1300のレンジ相場シフトを想定したい。一方、下方ブレイクした場合は、1.1080レベルまで下落幅が拡大する展開を警戒したい。

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