米国ウィークリー 2018/5/29号

米朝、米中問題は未だ先行き不透明

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  • 5/24、北朝鮮の金正恩委員長宛て書簡で、トランプ大統領は「現時点での会談実施は不適切」と6月12日、シンガポールで開催予定の米朝首脳会談中止を表明した。北朝鮮側は、ボルトン大統領補佐官やペンス副大統領を激しく非難し、一方的な核放棄に応じないなどと態度を硬化させていた。

    北朝鮮に核兵器開発の即時、無条件の放棄などを求める「リビア方式」採用を訴えてきたボルトン大統領特別補佐官に加え、5/21に北朝鮮に対し「リビアと同じ轍を踏む」などと語ったペンス副大統領に北朝鮮は激しく反発。北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は、「米国が我々と会議室で会うか、核対核の最終決戦で対決するのかは、完全に米国の決断と振る舞いにかかっている」と警告するなど、両国の発言はエスカレートした。トランプ大統領の書簡には、感謝、怒り、失望、圧力とあらゆる思いがちりばめられた一方で、書簡という丁寧な形で首脳会談の見送りと同時に開催も呼びかける内容でもあった。
  • 一方、中止の通達を受けて北朝鮮の金桂冠(キム・ケガン)第1外務次官は5/25、「我々はいつでも、どんな方法であれ、対座して問題を解決する用意がある」との談話を発表。トランプ大統領は5/26に一転、当初予定通り6/12の米朝首脳会談開催を視野に入れていると表明。5/26、急遽行われた朝鮮半島の南北首脳会談で、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の働きかけもあって、金正恩委員長は改めて朝鮮半島を非核化する意思を明らかにした。ただ、完全な非核化を唱える米国と段階的非核化を求める北朝鮮との間の隔たりは大きく、周辺各国の思惑も絡み今後とも紆余曲折が想定される。5/27には複数の米当局者が首脳会談の準備のため北朝鮮入りし、実務者レベルの話し合いが進められる模様。市場への影響が高まる局面も想定され動向を注視したい。

    また、第2回の米中貿易協議で、中国が米国からエネルギーや農産品の輸入を拡大する方針を発表し、トランプ大統領は5/25、中国の通信機器大手ZTE(中興通訊)への制裁緩和で中国の習近平国家主席と合意。ただ、米議会はZTEが米国の政府や企業から機密を盗んでいる疑惑があり、制裁緩和を阻止する法案を検討中で、議会とトランプ大統領の溝が深まっている。日々情勢が変化する、米朝と米中問題が当面の株式相場の重しとなりそうだ。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(5/25現在)

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■主な企業決算 の予定
●5月29日(火):セールスフォース、HP
●30日(水):アナログ・デバイセズ
●31日(木):ヴイエムウェア、コストコ

■主要イベントの予定
●29日(火):
・3月の主要20都市住宅価格指数
5月の消費者信頼感指数
●30日(水):
地区連銀経済報告(ベージュブック)
FRB、ボルカー・ルール見直し案巡り会合
OECD経済見通し
5月のADP雇用統計
・4月の卸売在庫
・1-3月のGDP (改定値)
●31日(木):
・アトランタ連銀、講演
・FRBブレイナード理事、講演
・欧州中央銀行(ECB)コンスタンシオ副総裁が任期満了
・4月の個人所得・支出
・5月26日終了週の週間新規失業保険申請件数
・中国5月の製造業・非製造業PMI
●6月1日(金):
・MSCI新興市場指数などへの中国人民元建てA株組み入れ開始
5月の雇用統計
5月のISM 製造業景況指数
・4月の建設支出
・中国5月の財新製造業PMI

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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