米国マンスリー2018年3月号

3月は落ち着きを取り戻す展開か?

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市場は落ち着きを取り戻すか?

2/2発表の1 月雇用統計で、平均時給が市場予想を大きく上振れインフレ懸念が強まり、10 年国債利回りが急上昇。通常10-20で推移するVIX指数が一時50台に乗せ、投資家心理が悪化し株価は急落した。

足元ではVIX指数が20を下回り、一時2.95%まで上昇した10年国債利回りは2.8%台で推移。株価は再び上昇トレンドを取り戻しつつある。一方、投資家の賃金上昇やインフレの見通し次第で、今後も債券利回りは変動し、VIX指数が再び高まるなど相場への影響も予想される。ただ、それらの見通しがよりクリアとなれば、マーケットは落ち着きを取り戻す展開になると見ている。(庵原)

【市場は落ち着きを取り戻すか?~賃金上昇やインフレ見通しが鍵!】

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3月のFOMCの注目ポイントは?

3月のFOMCでは追加利上げがほぼ確実視されている。2/21公表の1月分のFOMC議事録では、引き続き金融緩和的であることに加え、税制改革の影響が当初予測より大きい可能性があるとし、多くのメンバーが景気見通しを引き上げ、利上げペースが加速する可能性があるとの見方で意見が一致した。

現状、市場の関心は年内の利上げ回数である。多くのエコノミストの見方は、昨年の年3回から4回となっている。パウエルFRB議長が就任した直後に株価は急落しており、資産価格に関する言及にも注目が集まることとなろう。(庵原)


【追加利上げが見込まれる3月のFOMC~注目は年内利上げ回数!】

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上昇続く防衛関連の株価に注目

防衛関連各社の株価はS&P500を上回るパフォーマンスを示している。米国は、現状の制度や秩序に対する現状変更勢力として、中国やロシアを挙げ、対抗姿勢を強めている。また、イランや北朝鮮の軍事的行動やテロ活動の阻止などにも注力。

国防総省による国防費の予算は今後、大幅に増加する見通しで、予算配分の主軸は、ロッキード・マーチン(LMT)のF35など戦闘機や潜水艦の造船など。上昇続く防衛関連各社の株価動向に注目したい。(庵原)

【国防費は増加の見通し~防衛関連各社の株価動向に注目!】

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2019会計年度予算教書

トランプ政権は、2019会計年度(2018/10-2019/9)の予算教書を議会に提出。歳出を前年度比5%増の4兆4,070億USDと提案した。国防関係費の大幅増額や、1.5兆USDの官民インフラ投資計画に充てるための拠出などが盛り込まれた。

一方、財政赤字は2019年度に9,840億USDと7年ぶりの水準に悪化する見通し。また、前提とする経済成長率も向こう3年にわたり3%以上と、楽観的な試算だ。トランプ政権の予算教書が実際に採用される可能性は低いが、2027年に財政黒字化する目標を政権が断念したことを示唆する内容であり、長期金利などへの影響には注意したい。(増渕)


【トランプ政権の予算教書~インフラ投資で経済牽引、財政悪化の懸念も】

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前年同期を上回るGDP予測

2017/4Q(10-12月)の実質GDP速報値は前期比年率2.6%増。伸びは3Qの同3.2%増から減速したものの、個人消費は同3.8%増と3Qの同2.2%増から伸びが加速。設備投資の増勢も加速したほか、住宅投資が3四半期ぶりに増加に転じた。

アトランタ連銀の経済予測モデル「GDPNow」によると、2018/1Q(1-3月)の実質GDPは、同3.2%増の見通し。同行は、「前年の同期と比べてかなり高く、景気拡大は続いている」と指摘。1月の雇用統計では、平均時給は同2.9%増と2009/6以来最大の伸びであった。良好な雇用・所得環境の下、可処分所得の増加を下支えとした個人消費の回復で、着実な経済成長が見込まれる。(増渕)

【1-3月の実質GDPは3.2%増の見通し~堅調な個人所得で景気拡大!】

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足下で強まるインフレ指標!

過去10年間にわたり低水準で推移してきた米国のインフレ率に、2018年に入って反発の兆しが見られる。1月の消費者物価指数(CPI)は前月比で市場予想を上回る伸びで、生産者物価指数(PPI)も市場予想と一致。コアPPIは、前年比2.5%上昇と、2014/8以来の大幅な伸びであった。

強い1月の雇用統計もあり、市場では長期金利が上昇し、FRBの利上げ回数を4回とする見方も出てきている。FRBはPCEデフレーターで前年同月比2%の物価上昇率を目標とする。同指数は2017/12には同1.7%と停滞感があったが、足元ではインフレ圧力が強まっている。(増渕)


【市場予想を上回る物価指標~川上から川下まで生じるインフレ圧力】

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