米国マンスリー2016年9月号

金融正常化へ舵を切り始めたFRBと市場見通し

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想定を覆したイエレン議長の講演

恒例のジャクソンホールでのFRB議長の講演は、想定された内容とは大きく異なるタカ派的なものとなった。イエレン議長は米国経済の状況から利上げが出来る環境が近づいているとの認識を示した。

FRBは遅すぎた昨年12月の利上げタイミングの反省から、早ければ9月の利上げを視野に入れたと見る。市場は未だ疑心暗鬼だが、Brexitや欧州金融問題などが浮上しないうちにFRBは、当局がなすべき金融正常化への道筋をつけようとしているものと思われる。大統領選・就任の影響をあまり受けない9月利上げの蓋然性は高まったと見る。(庵原)

【ジャクソンホールでのイエレン発言から9月利上げの可能性は高まった!】

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8月は市場予想水準で利上げも

7月の非農業部門雇用者数は前月比25.5万人増と市場予想の同18万人増を大きく上回った。失業率は4.9%と完全雇用に近づいている水準。また、平均時給は同2.6%増、労働参加率が同0.1ポイント上昇の62.8%と2ヵ月連続で改善した。

8月の非農業部門雇用者数の市場予想は前月比18万人増、平均時給は前年同月比2.5%増が見込まれている。イエレン議長は3ヵ月平均のデータに注目する旨コメントしており、市場予想近辺のデータとなれば、利上げの観測が大きく高まることとなりそうだ。(袁)

FRBの金融政策の行方の大きな決定ファクターである雇用統計】

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堅調な個人消費~米国経済動向

2016/4-6月期のGDPは前期比1.1%増と速報値の同1.2%増から下方修正した。一方、GDPの約7割を占める個人消費は同4.4%増と好調となったほか、アトランタ連銀が発表した 「GDPナウ」で7-9月期のGDP成長率予想が同3.5%増と従来予想の同3.4%増から上方修正した。

また、NRFの見通しでは今年の新学期セールの売上見通しは前年同期比11.4%増の758億USD。1家族当たりの出費はK-12生徒向けが同6.9%増の673.57USD。米年間小売売上高の約2割を占める年末商戦の試金石として注目される。(袁)

【個人消費の拡大で米GDPの成長を牽引する見通し】

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2016/12期3Qの企業業績見通し

2016/12期3Q(7-9月)のS&P500種構成企業の増益率見通しは8/26時点で前年同期比1.3%減。引き続きエネルギーセクターは大幅減益見通しだが、増益転換も視野に入った状況である。同セクターを除けば同1.7%増益の見通しである。

3Qのセクター別では、ヘルスケアが同4.5%増、金融と素材が同3.8%増、公益事業が同3.3%増、生活必需品が同2.8%増、ハイテクが同2.4%増、一般消費財・サービスが同1.3%増と7業種が増益の見通し。サブセクターでは保険とソフトウェアが2桁増益、小売が同9.7%増益の見通しでトラベラーズ(TRV)マイクロソフト(MSFT)アマゾン(AMZN)などの業績動向に注目したい。(袁)

2016/12期3Q(7-9月)企業業績見通しでは10業種のうち7業種が増益】

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堅調な原油価格で株価安定推移

原油価格は、時に市場心理を示しマーケットの攪乱要因ともなり得るため動向には注視したい。右図表の通り、2014年以降の下落局面では、市場が原油安により、リスクオンにもなりリスクオフにもなることを示している。

8月以降、WTI原油価格は20%以上上昇し強気相場入りとの見方も浮上した。9月に産油国が増産凍結に合意との観測が背景だが、仮に合意もその後遵守されるかは不透明だ。また、利上げ観測に伴うドル高はドルベースの原油価格押し下げ要因である。一方で、利上げ観測の強まりは、米国景気の堅調さを示し、原油需要拡大の見方も強まろう。結果、原油価格の下押しバイアスもあるが、比較的堅調に推移し、株価の安定推移に寄与すると見ている。(庵原)

【原油価格は下押しバイアスも安定推移を予想~金融政策や産油国の思惑】

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金融株や景気敏感などに注目

利上げ観測が高まる中、銘柄選択を考えたい。まずは、金利上昇で利鞘改善から銀行を中心とした金融株がピックアップされよう。S&P500種の10業種分類の中でも、年初来パフォーマンスが最も劣っていたセクターであり、その面からも上昇余地が大きいと思われる。NYダウ採用銘柄では、JPモルガン・チェース(JPM)ゴールドマン・サックス(GS)などに注目したい。このほか、利上げは良好な経済状況を意味することになるため、景気敏感の消費関連やコングロマリットなどにも注目したい。(庵原)

【利上げ観測高まる中での銘柄選択】

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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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