米国マンスリー2016年8月号

年末相場への試金石となる?8月マーケット!

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改善見込みの米国と世界経済

7/29には発表される2016/2Q(4-6月)のGDPであるが、1Q(1-3月)に比べ大幅な改善が見込まれている。背景は個人消費の力強い伸びで、市場予想では2Q以降、2017年にかけても四半期ベースのGDP成長率は2%台が見込まれている。

一方、IMFは7/19に2016年、2017年の世界経済見通しを4月時点から0.1ポイントずつ下方修正し、3.1%、3.4%とした。Brexitの不確実性から先進国は引き下げの一方、ブラジル、ロシアが力強さを増すなど新興市場全体は据え置き。世界経済は底打ちとなるか注目される。(袁)


【個人消費回復で改善見通しの米国GDP成長率~世界経済は底打ちか?】

 

8月月初の重要経済指標に注目

7月の米株最高値更新の要因ともなった米国経済指標。8月月初発表の7月分の重要経済指標は、①Brexitの影響を織り込んだ初のデータ、②年内利上げの判断材料、③8月の閑散相場への影響が高まる可能性、などの点で注目される。

8/1、8/3の7月ISMの製造業、非製造業の景況指数の見通しはほぼ横ばい。改善が進む製造業の動向が注目される。Brexitに加え、ドル高の影響などもあり、内訳の輸出や先行指標となる受注を確認したい。8/5の7月の雇用統計では雇用者数増加幅に加え改善続く平均時給に注目が集まることとなろう。(庵原)


【年内利上げの行く末占う8月月初の7月分経済指標の見通し】

 

利上げは株価上昇を誘う?

サマー・バケーション時期とあって夏枯れ相場とも言われる8月である。しかし、今年は秋に大統領選を控えるうえ、年内利上げの可能性を探るうえでも重要な月となりそうだ。

図表の通り、過去の利上げ時期は株価上昇のタイミングと一致している。利上げ実施は賃金上昇や物価上昇など景気の先行きへの自信の表れと捉えられるためである。7/26現在、FF金利先物からの利上げ確率は9月28.0%、11月29.5%、12月49.2%と再び高まっている。今年の8月相場は、クリスマス時期の年末商戦への試金石となろう。(庵原)


【ヒストリカルデータが物語る利上げ時期は株価上昇のタイミング?】

 

増益率見通しからの注目セクター

7/22現在、S&P500構成企業の2016/2Q(4-6月)増益率見通しは、前年同期比4.5%減と7/2時点の同5.4%減からマイナス幅が改善している。軒並み市場予想を上回る決算が相次ぎ、減益幅は更に縮小となりそうだ。また、3Q以降にはエネルギーセクターの減益幅縮小などから増益に転じる見通しで、2Qから3Qにかけて業績動向の転換点となりそうだ。

2Qのセクター別には、自動車&部品、耐久財&アパレルなどの牽引で一般消費財・サービスが同9.1%増益のほか、ヘルスケアが同3.9%増益、通信サービスが同3.6%増益の見通しである。個別には、ゼネラル・モーターズ(GM、管理医療のユナイテッドヘルス(UNH、通信のAT&TTなどに注目したい。(袁)


【減益幅縮小見通しの2016/2Q、増益見通しの3Qと業績動向は転換点?】

 

Brexit後の反発と注目セクター

想定以上の動きとなった7月の米国相場だが、7月号で指摘した通りBrexit後、早い段階からリターン・リバーサルが確認された。特に年初来のパフォーマンスの悪いセクターほど、反発力が強まった。

6/24現在で年初来マイナスであった情報技術、資本財・サービス、ヘルスケア、一般消費財・サービスなどが、7/26現在で年初来プラスに転じた。引き続き半導体関連など情報技術、未だ年初来マイナスの金融のほかヘルスケアなどに注目したい。また、Brexit後のパフォーマンスは今一つであった通信、生活必需品などにも注目したい。(庵原)


【Brexit後のリターン・リバーサルとその後の注目セクター!】

 

4-6月決算で注目銘柄をピック

7/11のアルコア(AAの決算を皮切りにスタートした4-6月期決算は、EPSが市場予想を上回った企業が約64%と順調な滑り出し。資源関連、金融、医薬・バイオ、防衛、ネットなど多様な業種の企業が決算発表を受けて株価の評価が高まっている。

特にJPモルガン・チェース(JPM)など金融は全般に、世界的な金利低下による利ザヤ縮小など厳しい環境にあるが、市場予想を上回る好決算となっている。また、クアルコム(QCOM)テキサス・インスツルメンツ(TXN)など半導体関連は好業績が確認された。引き続き、各社業績の着地と見通しに注目したい。(袁)


【4-6月の決算発表で株価評価が高まった企業一覧と業績動向】



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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