米国マンスリー2016年6月号

もしも共和党のトランプ候補が大統領になったら!

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2Q以降のGDPは改善の見通し

2016/1Q(1-3月)の実質GDP成長率は、前期比年率0.5%増に留まったが、2Q(4-6月)以降は2%超と比較的高い推移が見込まれている。 

アトランタ連銀によるGDPNowでは、2Qの成長率見通しが4/29時点で同1.8%であった。しかし、5月に発表された良好な自動車販売、ISM非製造業景況指数、小売販売などから、5/17現在で成長率見通しは同2.5%。GDPの約7割を占める個人消費が同3.6%増と牽引する見通し。ただ、金融当局者による6月利上げを示唆する発言が相次いでいるが実施のハードルは高いと見る。ウォルマートストアーズ(WMTなど好調な小売企業に注目したい。(庵原)

【改善見通しのGDP成長率~約7割を占める個人消費が牽引へ】


6月利上げは正当化されるか?

4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比16万人増と市場予想及び前月を大きく下回った。6ヵ月移動平均は節目の20万人増を超えているが基調は下向き。一方、平均時給は前年同月比2.5%増と市場予想及び前月を上回り、過去数年と比較して高水準での推移である。労働参加率も底打ち改善、失業率もほぼ完全雇用と良好と言えよう。

ただ、イエレンFRB議長は3/29、労働市場にたるみ(スラック)が残っているとし、利上げに「慎重姿勢は特に正当化される」とコメント。6/14-15のFOMCが注目される。(庵原)

【雇用市場のトレンドをどう読むべきか?雇用者減も平均時給は改善】


好調な住宅市場動向と関連銘柄

引き続き住宅市場は好調で、4月の新築一戸建て住宅販売(季調済み、年率換算)は前月比16.6%増の61.9万戸と、約8年ぶり高水準。販売に対する在庫比率は4.7カ月と、約1年ぶり低水準。雇用が回復し、賃金上昇するなか消費者マインドは改善しており、低金利も追い風だ。

新築の平均価格は32.11万ドルと前年同月比9.7%上昇しており、業績好調の住宅会社トール・ブラザーズ(TOLレナー(LENDR.ホートン(DHIやホームセンターのホーム・デポ(HDなどに注目したい。(庵原)

【住宅市場は好調続く~賃金上昇、低金利が追い風に】


大統領選動向と今後の注目業界

政治情報サイトReal Clear Politicsによれば、米国東部時間5/22の大統領選支持率の集計結果は、トランプ氏が43.4%とクリントン氏の43.2%を僅かに上回った。トランプ氏に軍配が上がる結果が相次いだため、一部の調査で同氏が優位となり、本選挙に向けた競争が激しくなっている。

ここで、トランプ大統領誕生で想定される市場動向を考えてみたい。利上げ反対を表明しており、不動産王の異名を持つことからも不動産関連やREITなどが注目される。また、投資銀行にとっても追い風となろう。その他保護主義的な発言から軍需関連にも注目したい。(袁)

【大統領選の平均支持率~クリントン氏を抜けたトランプ氏】


半導体関連への期待と注目銘柄

半導体製造装置会社の業績拡大が確認され、関連銘柄の株価が上昇。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の年初来騰落率は3.3%上昇とS&P500種株価指数の1.6%上昇を大きく上回っている。また、ハイテク関連のセクター別の騰落率は半導体・同製造業装置が0.3%上昇、テクノロジー・ハード・機器が3.0%下落である。

個別では、2016/10期3Q(5-7月)の売上高見通しが市場予想を上回った半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズ(AMAT)、半導体業界向けの生産管理システムやプロセス監視システムのKLAテンコール(KLACなどに注目したい。(袁)

【半導体関連銘柄はS&P500種株価指数をけん引】


強まる6月の利上げ観測

FOMCは6/14-15に開催予定だが、利上げに向けた地ならしともとれる材料が出ている。4/26-27分のFOMC議事録は大半の参加者が経済の改善が続けば、6月の利上げが適切だと判断。足元で市場での利上げ確率は34.0%と議事録公表前の4%から大きく上昇。1-3月期のGDP速報値や4月の雇用統計は何れも低調だったが、5月発表の小売、CPI上昇率や住宅など経済指標は堅調。また、6月のFOMC前にGDP改定値や5月の雇用統計など重要な経済指標が良好な結果となれば、6月利上げへの期待が更に高まろう。

6月の利上げ実施となれば、ビザ(V)など消費関連、シティG(C)など銀行関連に注目したい。(袁)

【FOMC議事録後、6月の利上げ確率が高まった】



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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