米国マンスリー2015年11月号

株式市場は反転上昇トレンドを維持できるか?

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落ち着き取り戻す中国

10/19発表の2015/7-9月の中国GDP成長率は6.9%と市場予想の6.8%を上回ったが2015年の政府目標値7.0%を下回った。ただ、6年ぶりの7%割れとなったものの金融市場に混乱はなく、上海総合指数はむしろ底打ちの兆しがみられる。
成長率鈍化も政府のコントロール対応可能な状況との見方が浸透してきていると思われる。人民銀行は昨年来、利下げを続け景気の下支えを図ってきた。次期5ヵ年計画(2016-20年)では平均成長率6.5%との見方も浮上するなか、政府の景気刺激策への期待も高まっている。(庵原)


株価の反転上昇は続くのか?

11月の米株は上昇ピッチ軟化も年末に向け堅調トレンドを維持すると予想。背景として、中国懸念が一段落するなか、ECBは12月の追加緩和を示唆し、米国の企業業績が比較的堅調であることなどが挙げられる。
NYダウは8月の世界株安局面から日独に比べいち早く立ち直り下落局面以前の軌道に戻りつつある。堅調な米国景気から下落率も相対的に小幅であった。ただ、今期予想PERは16倍程度まで上昇。一段の株価上昇には業績見通しの上方修正が求められることとなろう。(庵原)


3Q業績動向は順調な推移

3Q(7-9月)の企業業績は決算発表が進むにつれ、市場の増益率見通しは上方修正されている。9/25と10/23時点で比較すると、一般消費財・サービスのサブセクターである自動車は前年同期比29.9%増から同40.2%増、通信サービスは同11.1%増から同20.7%増、ハイテクのサブセクターである半導体が同10.0%減から同5.9%減などとなっている。
10/28現在、S&P500構成企業のうち223社が決算を発表し、EPSが市場予想を上回った企業の比率(サプライズ比率)は、1Q、2Qの68%程度に対して71.7%である。今後の動向に注目したい。(庵原)


好調な米住宅市場と関連銘柄

9月の中古住宅販売は前月比4.7%増の555万戸と市場予想の538万戸を上回り、2007/2以来の高水準となった。9月の住宅着工件数は前月比6.5%増の121万戸と市場予想の115万戸を上回った。また、8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比5.1%上昇と住宅価格も引き続き堅調である。
雇用情勢が良好で賃金が上昇するなか、史上最低水準の住宅ローン金利などから、住宅市場は好調な推移となっている。11月に決算発表を控える、不動産建設大手のレナー(LEN住宅建築・販売の最大手のD.R.ホートン(DHIなどの業績動向に注目したい。(袁)


新車販売好調でビッグ3に注目

9月の米国新車販売台数は前年同月比15.2%増の144万台、季節調整済みの年換算は1,817万台と10年2ヵ月ぶりの高水準。ガソリン価格下落もあって、ピックアップトラックやSUVなど利益率の高い大型車の販売が好調である。
米自動車メーカー3社の販売台数は同17.5%増の67万台と好調で全社2桁増となった。2015/12期3Q(7-9月)はゼネラルモーターズ(GMのEPSが市場予想を上回り、フォード・モーター(Fが大幅増益となったフォルクスワーゲン(VOW)の排ガス不正問題もあって、フィアット・クライスラー(FCAUを含め米系大手3社の収益拡大が期待される。(袁)


年末商戦の見通しと関連銘柄

NRF(全米小売業協会)によれば、今年の年末商戦(11-12月)の小売売上高は2014年比3.7%増の6,307億USDと2008年リーマン・ショック以降、7年連続のプラスとなる見通し。一人当たりの支出額の見込みは802.45USDと過去10年で最高となる模様。消費者マインドは改善しており、動向が注目される。
オンライン販売は同6-8%増と高成長が見込まれており、アマゾン(AMZNイーベイ(EBAYなどeコマースの販売動向に注目したい。また、小売最大手のウォルマート(WMT、百貨店のメーシーズ(Mなどの店頭販売にも期待したい。(袁)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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