米国ウィークリー2015/12/8号

良好な雇用統計から米国は利上げを控え視界良好?

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  • 12/3にECBは、追加の金融緩和を実施したが市場の期待を下回る内容となり、欧州株は急落し米国株も大幅な下落となった。市場が増額を見込んだ毎月の債券購入は新たに地方債を買入対象に含めたが600億ユーロを継続し、購入プログラム期間の延長は12ヵ月との見方もあったが6ヵ月に留まった。マイナス幅の拡大が見込まれたECB預金金利の引き下げはミニマムの0.1ポイントとなる-0.3%とした。サプライズのある金融政策を見込んだポジション設定から急激な巻き戻し(アンワインド)の動きとなり、3月、4月以来となる1ユーロ=1.05ドルまでドル高・ユーロ安が進んでいたユーロ・ドルは、ECB理事会の結果を受けて1ユーロ=1.09ドル台まで急速にユーロ高・ドル安が進み、独DAXや仏CAC40など欧州主要株価指数は前日比約3.5%の下落となった。
     
  • 同日の米国株式市場は、NYダウが前日比252ドル安(同1.4%下落)となりS&P500種の10業種全セクターが下落と全面安の展開となった。しかし翌12/4、11月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比21.1万人増と市場予想を上回り、NYダウは同369ドル高(同2.1%上昇)と前日の下げを上回る上昇となった。良好な雇用情勢とほぼ確実となった12月利上げを好感し、アップル(AAPLJPモルガン・チェース(JPMマイクロソフト(MSFTの株価が同3%超の上昇となりNYダウ構成全30銘柄が上昇した。

    イエレンFRB議長は12/2の講演で、金融政策の遅れは急激な引き締めを招き、金融市場を混乱させ景気後退の恐れに繋がるとコメント。12/15-16のFOMCでの利上げ実施はほぼ確定的となったと言えよう。利上げ時期の不透明感は払しょくされ、今後は利上げペースに注目が移ることとなる。ただ、利上げペースについては、FF金利先物市場では2016年に2-3回を見込んでいるのに対して9月公表のFOMC参加者予測中央値では4回を見込んでいる。

    株式市場は利上げ可能なマクロ環境を好感し堅調な推移を予想するが利上げペースを巡る見方が分かれており、やや上値の重い展開も予想される。また、ドル高とOPEC生産枠維持から原油安が続き、今後の物価上昇率を鈍化させる可能性もある。未だ視界良好と言える状況ではなさそうだ。(庵原)

 

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/4現在)


 

 

主要企業の決算発表予定

●12月8日(火):コストコ・ホールセール、トール・ブラザーズ
●10日(木):アドビ・システムズ
 

主要イベントの予定

●12月8日(火):
10月の求人労働異動調査(JOLT
・EU財務相理事会
ユーロ圏の7-9月のGDP改定値
中国11月の貿易収支
●9日(水):
10月の卸売在庫
中国11月のCPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)
●10日(木):
新規失業保険申請件数(12/4終了週)
11月の輸入物価指数
・11月の月次財政収支
●11日(金):
11月の小売売上高
11月のPPI
12月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
・ECB第6回TLTRO割当を公表
●14日(月)
EU外相理事会(12/15まで、ブリュッセル)


(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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