米国ウィークリー2015/12/22号

金融政策、原油価格と2016年のマーケット展望

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  • 12/16、FRBはFOMCで9年半ぶりとなる利上げを全会一致で決定した。2008/9のリーマン・ショック後、バーナンキ前FRB議長は2008/11から大規模な資金供給を行う量的緩和(QE1、QE2、QE3)を行ってきたが、イエレンFRB議長が2014/10にQE3を終了させた。経済動向からやや遅きに失した感もあるが量的緩和終了後、1年以上の時間をかけて市場との対話を行い、イエレン議長は金融正常化への軌道修正を行うことに成功したと言えよう。

    失業率は2009/10当時の10.0%から2015/11には5.0%とほぼ完全雇用に近い水準まで改善。平均時給は2009/12に前年同月比1.8%増に落ち込むなど軒並み同2%を割り込んでいたが、2015/10には同2.5%増、2015/11は同2.3%増と改善。一方で、FRBが目指す物価上昇率2%に対してPCEコア(個人消費支出コアデフレーター)は2015/10で同1.3%上昇に留まっている。
     
原油や商品の市況安が間接的にも直接的にも影響し、2015年の米国株は年初来パフォーマンスがマイナス圏に沈んだ状況にある。12/18現在、S&P500、NYダウはそれぞれ▲2.59%、▲3.90%、S&P500の10業種別ではエネルギーが▲25.25%、素材も▲12.58%と大幅な下落となっている。40年振りとなる米国の原油輸出解禁もあって供給過剰が続く原油価格の軟調な展開が続き、米国株の重石となる可能性はあろう。


ただ、エネルギーセクターの業績改善も見込まれ12/18現在のBloomberg集計によれば、S&P500構成企業の増益率は2015/12期の前期比0.6%減に対して2016/12期は同7.1%増と増益に転じる見通しである。金利上昇は見込まれるが緩やかであり、企業業績の改善が2016年の米国株を押し上げる可能性は考えられよう。S&P500の2015/12期予想PERは約16-18倍のレンジで推移。2016/12期予想PERの18倍程度を前提に、2016年のS&P500は約2,270(12/18現在の2,005.55から約13%の上昇)と高値更新もあると予想する。2016/12期の増益率見通しでは、ネット販売や自動車など一般消費財・サービスや医薬品、バイオなどヘルスケアは引き続き2桁増益が見込まれ、金融は増益率の拡大が見込まれており、関連銘柄に注目したい。(庵原)



S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/18現在)

主要企業の決算発表予定

●22日(火):ナイキマイクロン・テクノロジー

主要イベントの予定

●22日(火):
7-9月期GDP(確報値)
・10月のFHFA住宅価格指数
11月の中古住宅販売件数
中国11月の景気先行指数
・トルコ中銀金融政策決定会合
●23日(水):
・米のMBA住宅ローン申請指数(12/18終了週)
11月の耐久財受注
11月の個人所得・個人支出
11月の新築住宅販売件数
12月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)
●24日(木):
新規失業保険申請件数(12/19終了週)
・ブルームバーグ消費者信頼感指数(20日終了週)
・米国とドイツ市場は休場、英国とフランス市場は短縮取引
●25日(金):
クリスマスで米国、ドイツ、英国、フランス、香港などは休場
●28日(月)
・中国11月の先行指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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