米国ウィークリー2015/10/6号

遠のいた利上げ見通しと注目セクター

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  • 14.2万人。10/2に発表された9月の非農業部門雇用者数の増加幅(前月比)に、多くの市場関係者は「目」を、「耳」を疑ったに違いない。9/24、イエレン議長はマサチューセッツ大学での講演で、「私自身も含めFOMC参加者の大半は、条件が達成されれば年内最初の利上げが行われ、緩やかなペースで引き締めが続く可能性が高いと現時点で予想している」とコメント。

    また、9/29のセントルイスの会議では、この数年で米経済に著しい改善が見られたとコメントしている。実際、9/16-17のFOMC以降の連銀総裁のコメントでは大半が年内利上げ支持の表明であり、米国経済の順調な進捗状況や10月利上げの可能性(ラッカー・リッチモンド連銀総裁、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)についての発言も聞かれた。しかし、10/2に発表された雇用統計以降、FRBの要人の発言はさすがに慎重なトーンとなっている。
  • コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁は、「9月により緩和的なスタンスを取っても完全に正当化されていただろう」とインタビューに答えている。ダドリー・NY連銀総裁は、「マクロプルデンシャル政策(バブル回避策)が必要なレベルから現状は程遠い」と利上げへの慎重な姿勢を示した。FRBの年内利上げスタンスを発信してきたイエレン議長だが、9/24の講演で「サプライズがなければ」との条件を提示している。イエレン議長にとって、20万人の市場予想を大きく下回り、7月、8月の雇用者数が下方修正された9月の雇用統計がサプライズとなった可能性は十分にあろう。9月のISM製造業景気指数も低下している。

    一方、9月の自動車販売は前年同月比15.8%増、年率換算で1,817万台と市場予想を上回り、2005/7以来10年ぶりの高水準となっている。ガソリン価格下落や低い金利水準が好調の要因として挙げられよう。10/2現在のBloomberg集計によれば、2015/12期3Q(7-9月)の自動車・同部品セクターの増益率見通しは29.5%と好業績が見込まれている。中国政府は9/29、特定の小型乗用車とSUVの購入にかかる税率を10/1から引き下げると発表。9月のOECD世界経済見通しでは、2015年の米国の経済成長率は2.4%と0.4ポイントもの上方修正となった。IMFの世界経済見通しにも注目したい。(庵原)



S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/2現在)


主要企業の決算発表予定

●6日(火):ヤム・ブランズ
●7 日(水):モンサント
●8日(木):アルコア
13日(火):インテル、JPモルガン・チェース、ジョンソン・エンド・ジョンソン


主要イベントの予定

●6日(火):
・8月の貿易収支
IMF世界経済見通し(WEO)公表、記者会見
・EU財務相理事会
・マイクロソフトがイベント開催、新製品発表見込み

●8日(木):
FOMC 議事録(9/16-17分)
・新規失業保険申請件数(10/3終了週)
9ICSCチェーンストア売上高
G20財務相・中銀総裁会議(ペルー・リマ)
・ECB理事会議事録(9/3分)

●9日(金):
・9月の輸入物価指数
IMF世界銀行年次総会(11日まで、リマ)
・アップルiPhone6s、6s Plusの販売国・地域拡大(メキシコ、ロシア、欧州など)

●12日(月):
コロンブスデーの祝日(株式市場は通常通り)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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