米国ウィークリー 2016/9/13号

FOMCを控えた利上げへの思惑とマーケット動向

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  • 394.96ドル安。9/9のNYダウは大幅な下落となった。きっかけは、ボストン連銀のローゼングレン総裁による利上げへの前向きな発言である。9/9、マサチューセッツ州で講演した同総裁はFRBが利上げを待ち過ぎることのリスクが大きくなりつつあり、「緩やかに金融政策を引き締めていくのが適切とみられる」と強調。段階的な金融引き締めが適切となる公算が大きいとの考えを示した。

    海外景気の鈍化は懸念材料だが、米国経済は底堅く推移しておりFRBが政策を据え置く期間が長期化し過ぎれば米経済が過熱する可能性もあるとも言及。「緩やかなペースでの緩和策解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりも、むしろ短くなる可能性がある」と述べた模様である。同氏のコメントを受けて9月の利上げ観測が高まり、同日の米国主要3指数は英国のEU離脱決定以降で最大となる2%を大幅に超える下落となった。直前には1.5%台前半まで低下していた10年国債利回りが、1.6%台後半まで急上昇し、ドルは全ての通貨に対して上昇。原油や金などもドル建てであることもあって下落し、マーケット全般にリスクオフモードが強まった。投資家心理を示す恐怖指数とも言われるVIXは、9/8の12.51から翌9/9には17.50と一気に39.9%もの上昇となり、平時の上限である20に近い水準まで高まった。
  • では、なぜローゼングレン総裁のコメントがこれほどまでマーケットを混乱に陥れたのであろうか?第一に9/21-22のFOMCを控え9/13からのブラックアウト期間(金融政策に関する発言が制限される期間)直前の段階で9月の利上げ確率が28%まで低下していたため多くの投資家が9月利上げなしのポジションを取っていたと見られること、第二に、ハト派として知られていたローゼングレン総裁が突如タカ派に変貌したことに加えFOMCでの投票権を有していること、などが挙げられよう。

    当面、米国株はドル高や商品市況下落の影響も相俟って、一段の下落となることを想定したほうがよさそうだ。短期的には、好配当や景気敏感セクターの売りが続く可能性がある。一方で、銀行や保険など金融や医薬品、ヘルスケアなどは底堅い推移を予想。原油安メリット企業にも目を向けたい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(9/9現在)

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■主要企業の決算予定
●9月15日(木):オラクル

■主要イベントの予定
●9月13日(火):
・財政収支(8月)
・国連総会(ニューヨーク、26日まで)
・ドイツ  ZEW景況感指数(9月)
中国  工業生産・小売売上高・固定資産投資(8月)
●14日(水):
・輸入物価指数(8月)
・ユーロ圏  鉱工業生産(7月)
●15日(木):
・経常収支(4-6月)
小売売上高(8月)
・新規失業保険申請件数(10日終了週)
・生産者物価指数(8月)
ニューヨーク連銀製造業景況指数(9月)
鉱工業生産(8月)
・イングランド銀行(英中銀)金融政策決定、議事録公表
●16日(金):
消費者物価指数(8月)
ミシガン大学消費者マインド指数(9月速報値)
・家計純資産(4-6月)
・対米証券投資(7月)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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