米国ウィークリー 2016/6/21号

イベント待ちだが状況変化への対応も求められよう

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  • 今度は英国で惨劇が起きた。EU残留派で、最大野党・労働党のジョー・コックス下院議員は英国中部ヨークシャーで銃撃され死亡した。海外のニュースでは、事件現場に多くの英国民が花を手向ける姿が放映され、彼女の人となり、残された子供たちや夫の悲劇を報道していた。民主主義発祥の地で起きたこの事件は、少なからず国民投票に影響を及ぼしているようである。

    EUの残留派と離脱派ともに6/16・17とキャンペーン活動を自粛し、キャメロン英首相は、「偉大なスターを失った」と彼女の死を悼み、6/16の夜に予定していた残留の訴えの活動を取りやめた。民主主義発祥の地で起きた卑劣な行為に英国国民は何を思うのであろうか?EU離脱の是非の態度を保留していた国民の多くは残留に傾く可能性があるのではないだろうか。実際、調査会社サーベイションが6/17・18に実施した世論調査によれば、EU残留派が45%となり、42%の離脱派を3ポイントリードしている。
  • また、大幅な下落が続いた英ポンドに下げ止まりの兆しが見られる。ポンド・ドルは、6/16には一時0.7136ポンド/ドルまで下落したが、6/20に一時0.6845ポンド/ドルと4.1%上昇。ポンド・円も6/16には一時145.397円/ポンドをマークしたが、6/20には152.984円/ポンドとポンドは5.2%もの上昇となった。EU離脱の是非は、あくまで国民が決めるものだが、短期間のこの急激な動きを見るにつけ、マーケットはかなり悲観シナリオを織り込んでいたと言えよう。

    また、米国の大統領選では、フロリダ州の銃乱射事件後の世論調査で、トランプ共和党候補の不支持率が70%に高まっている。メキシコ系判事への人種差別発言や、イスラム教徒入国禁止など過激な発言などから、総合的な支持率でクリントン民主党候補が優勢となっている。市場参加者は依然、積極的なポジションを構築できる状況にはないが、英国EU残留、米国クリントン民主党優勢となれば、市場はリスクオンに傾くこととなろう。トランプ候補は英国のEU離脱を支持していることも影響しそうだ。米国利上げが遠のくなか、金利低下で借り換え需要拡大など住宅ローン残高は大幅増加の見通しだ。6/23を過ぎれば、米国株式は再び史上最高値を目指す展開となろう。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(6/17現在)

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■主要イベントの予定
●21日(火):
・独6月のZEW景況感指数 
ドラギECB総裁の発言
イエレンFRB議長、上院証言
●22日(水):
・MBA住宅ローン申請指数
・4月の住宅価格指数
5月の中古住宅販売件数
イエレンFRB議長、下院証言
●23日(木):
FRBがストレステストの結果を発表
・新規失業保険申請件数
5月の新築住宅販売件数
・5月の景気先行指標総合指数
・6月のユーロ圏製造業PMI
・英国のEU残留・離脱を問う国民投票
●24日(金):
日銀が6/15-16の金融政策決定会合分の「主な意見」を公表
5月の耐久財受注
6月のミシガン大学消費者態度指数(確定値)
・6月の独IFO企業景況感指数
●27日(月):
1-3月期のGDP(確定値)
4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数
・6月の消費者信頼感指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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