米国ウィークリー 2016/5/10号

米中の弱い景気指標から上値の重い展開へ

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  • 5/6発表の4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比16万人増と市場予想の同20万人増及び前月の同20.8万人増(速報値の同21.5万人増から下方修正)を大きく下回った。失業率は5%と前月比横ばいとなり、ほぼ市場予想の水準となった。また、平均時給は前月比0.3%増、前年同月比2.5%増と上昇率が加速したが、非農業部門雇用者数の増加幅が20万人を大きく割り込んだことで、雇用市場が軟化したイメージは拭えない。5/2発表の4月のISM製造業景況指数は50.8と事前の市場予想、前月水準を下回った。

    月初の重要経済指標の悪化が相次ぎ、利上げ観測が後退している。6月の利上げ確率は、4/26-27のFOMCの結果発表以前は20%超だったが、雇用統計の結果を受けて2%まで低下している。もっとも、弱い経済指標から当面、FRBの緩和的スタンスが続くと市場は受け止め、5/6のNYダウ、S&P500、ナスダックの主要3指数は4日ぶりに揃って上昇となった。
     
  • 雇用統計の悪化が一時的であるか、6月のFOMC前に発表される5月分の同統計を確認する必要があろう。5/3に財新/マークイットが発表した4月の中国製造業PMI改定値は49.4と前月の水準及び市場予想を下回った。景況感の分かれ目となる50を下回ったのは、昨年3月以降14カ月連続である。5/8に発表された中国の4月の貿易統計は、ドルベースで輸出が前年同月比1.8%減と市場予想及び前月の同11.5%増を大きく下回り、輸入も同10.9%減と市場予想及び前月水準からマイナス幅が拡大と中国景気指標も鈍化している。

    原油価格はカナダ・アルバータ州の山火事によりオイルサンドの生産障害が生じ市況を押し上げているが、イランやイラクを含むOPECの生産は4月に増加した模様。また、サウジアラビアで新たに任命されたファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は原油生産を過去最高水準に保つ路線を継続する模様で、原油価格の先行きに不透明感が出てきている。5/6現在、S&P500構成企業の1Q(1-3月)は前年同期比7.4%減益と4/1時点の同9.5%減益から改善。EPSが市場予想を上回った企業の比率は72.3%と高水準である。ただ、米中景気鈍化などもあって、米国株はやや上値の重い展開を予想する。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(5/6現在)

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主要企業の決算発表予定

●10日(火):アラガン、ウォルト・ディズニー、クレディ・スイス
●11日(水): メーシーズ
●12日(木):ラルフローレン、シマンテック、コールズ
●13日(金): シスコシステムズ

主要イベントの予定

●10日(火):
3月の卸売在庫、卸売売上高
中国4月の消費者物価(CPI)、生産者物価(PPI
●11日(水):
世界経済フォーラム・アフリカ会議(5/13まで、ルワンダ)
4月の財政収支
・10年国債入札
●12日(木):
ユーロ圏3月の鉱工業生産
・4月の輸入物価
●13日(金):
1-3月期のGDP
4月の小売売上高
5月のミシガン大学消費者信頼感指数
●14日(土):
中国4月の小売売上高や工業生産高、1-4月の固定資産投資
●16日(月):
5月のNY連銀製造業景気指数
・5月のNAHB住宅市場指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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