米国ウィークリー 2016/12/13号

期待だけでなく実体経済の強さも相場をサポート?

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  • 一服感が見られた米国株は、再び上昇基調にある。12/9現在、過去5営業日でS&P500、NYダウはともに3%強、ナスダックが3.59%上昇し、S&P500、ナスダックはともに6連騰、NYダウは5連騰し連日の最高値更新である。NYダウはトランプ相場で1,400ドル強、年初来で2,300ドル超の上昇(13.38%高)となった。

    当初、インフレ期待、規制緩和、財政出動など新政権が掲げる政策から、金融やインフラ関連の大手企業を中心に株価上昇が続いたが、足元では資金流入先に広がりが見られる。実際、15連騰後に4営業日続落となった小型株の代表指数であるラッセル2000は、その後6連騰し過去5営業日で5.62%の上昇となった。主要指数の中で最も高いパフォーマンスを示している。
  • また、現状は政策への期待だけでなく実体経済の強さが株式市場の押し上げ要因になっていると見ている。トランプ次期大統領勝利後初めて発表された経済指標は、全般に良好である。企業マインドを示す11月ISM景況指数の製造業、非製造業や消費者心理を示す12月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は、何れも前月及び市場予想を大幅に上回った。11月の雇用統計は雇用市場の強さを示し、賃金上昇、株高などから今後もGDPの約7割を占める個人消費が拡大することも予想されよう。

    2016年のGDP成長率は前期比年率で、1Q(1-3月)が0.8%、2Q(4-6月)1.4%、3Q(7-9月)3.2%であった。12/9現在のアトランタ連銀のGDPNowによれば、4Q(10-12月)の成長率見通しは2.6%である。成長率2%台後半から3%程度継続となれば世界景気回復シナリオも描け、グローバルに展開する米国企業のメリットも大きくなることが考えられる。1年ぶりの利上げが想定される12/13-14のFOMCは2017年の利上げペースが焦点となり、長期金利の一段の上昇もあり得よう。新政権人事では、要職にエクソンモービルやゴールドマン・サックスのトップなどが有力候補に挙がるなど、経済優先の体制が垣間見られる。このため、景気敏感、金融、エネルギーなど幅広いセクターへの資金流入が続くと予想する。アベノミクス相場の第1幕では日本株上昇が半年程続いたことを考えれば、トランプ相場も未だ初期段階との見方が出来るかも知れない。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/9現在)

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■主な企業決算 の予定
●12月15日(木) : アドビオラクル

■主要イベントの予定
●12月13日(火):
FOMC12/14まで) 
11月の輸入物価指数
・独12月のZEW景況感調査
中国11月の工業生産・小売売上高・固定資産投資
●14日(水):
・MBA住宅ローン申請指数
11月の小売売上高
11月の鉱工業生産
FOMC終了後の政策金利発表、イエレンFRB議長の定例記者会見 
●15日(木):
12月のNY連銀製造業景気指数
11月のCPI
・新規失業保険申請件数(12/3終了週)
EU首脳会議(ブリュッセル12/16まで)
●16日(金):
11月の住宅着工件数
・11月の建設許可件数
日ロ首脳会談
●19日(月):
日銀・金融政策決定会合(1日目) 

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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