米国ウィークリー 2016/10/12号

リスク要因残るが市場の関心事は企業業績へ!

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  • ドル高進展も、米国株は下値の堅い展開となっている。9月末に1.5%台であった10年国債利回りは10月に入って1.7%台に上昇し、ドル高が続くなど米国株式市場にとっては逆風が吹く中であったが、NYダウは終値ベースで値幅が160ドルと狭いレンジ内で堅調に推移した。

    良好な経済指標を背景に、主要通貨に対するドルの価値を示すドル・インデックスは、10月月初の95台から10/7には一時97台に乗せ、足元は96台後半で推移。ドル・円は9/27の100円/ドル割れ目前の水準から足元では104円/ドル前後とドル高の推移となっている。9月のISM景況指数は、10/3発表の製造業が51.5と前月の49.4から好不況の節目である50台を回復し市場予想の50.4も上回った。非製造業は、57.1と前月の51.4及び市場予想の53.0を大幅に上回った。因みに同指数が50を下回っている場合に利上げが実施されたことはなく、55を超える水準は十分に利上げが正当化されるケースと言えよう。
  • 10/7発表の9月の非農業部門雇用者数は前月比15.6万人増と前月の同15.1万人増を上回ったが、市場予想の同17.2万人増を下回った。失業率は5.0%と前月及び市場予想に比べ0.1ポイント悪化。やや弱い統計データから一時ドル安となったが、その後ドル高基調を取り戻している。10/9の第2回の大統領候補TV討論会でクリントン候補がトランプ候補に対して優勢と伝えられたことや原油高から投資家のリスク許容度が高まり株式市場は上昇した。

    10/10、サウジアラビアはOPECの協調減産に対して楽観的な見通しを示し、ロシアのプーチン大統領はOPEC減産合意となれば増産凍結や減産も検討するとの考えを表明。ただ、OPEC各国の生産枠設定をどのように行うか不透明であり、ロシア燃料エネルギー中央流通局によれば10月に入って暫定値で同国の石油生産量がソ連崩壊以降最高の1,120万バレル/日となるなど、11/30のOPEC総会に向け紆余曲折も想定されると見る。また、欧州金融問題など市場を揺るがす外部要因も残る。ただ、市場の関心事は2016/3Q(7-9月)決算へと移ることとなろう。10/7現在、前年同期比1.6%減益見通しのS&P500構成企業の3Qは、増益転換が視野に入るか動向に注目したい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/7現在)

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主な企業決算の予定
●10月14日(金) :JPモルガンウェルズ・ファーゴシティグループ
●17日(月):バンク・オブ・アメリカIBM、ネットフリックス
18日(火):ブラックロック、ゴールドマン・サックスインテルジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップ・モリス、ユナイテッドヘルス

主要イベントの予定<
●10月12日(水):
・MBA住宅ローン申請指数
FOMCの議事録(9/20-21の会合分)
●13日(木):
中国9月の貿易収支
・9月の輸入物価指数
新規失業保険申請件数(10/8終了週)
●14日(金):
・中国9月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)
9月の小売売上高
・8月の企業在庫
10月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)
イエレンFRB議長の講演
●17日(月):
10月のNY連銀製造業景気指数
・9月の鉱工業生産
●18日(火):
9月の消費者物価指数(CPI
・10月のNAHB住宅市場指数            

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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