米国ウィークリー 2017/8/1号

ハイテクなど選別物色の好機?

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  • S&P500オプションの価格に基づき算出されるボラティリティー指数(VIX)が7/26に一時8.94%と1993年の公表開始以来で過去最低をマークしたが、7/27の午後に突如上昇し、先高値圏で推移していた主要指数が変調を来した。米系大手銀行のクオンツ・ストラテジストがレポートで過去最低水準にあるボラティリティーは「転機が非常に近い可能性を示唆している」と指摘したためである。

    同レポートによりナスダックは2%強、SOXに至っては約3%ものそれぞれ急落となった。過去5営業日の下落率は、S&P500のハイテク構成銘柄でシーゲイト・テクノロジー(STXが17.61%、ウエスタンデジタル(WDCが10.39%、マイクロン・テクノロジー(MUが8.53%、コーニング(GLWKLAテンコール(KLACが5.50%となった。市場の急変で利益確定売りが出やすいハイテクは動向に注意が必要であるが、個別に業績動向やPER水準などを確認したい。
  • ハードディスクドライブ(HDD)製造のシーゲイトやハードディスク駆動装置メーカーのウエスタンデジタルは、四半期の実績や見通しが市場予想を下回り株価が下落。当面、株価動向に注意が必要であろう。マイクロンは、韓国半導体大手SKハイニックスがDRAMの設備投資拡大を検討する見通しが明らかとなり株価が下落した。ただ、DRAM需要の拡大で、需給逼迫が続く見通しであることなどからマイクロンへの多くのアナリスト評価は高い。今期の会社見通しも良好であり、予想PER6倍台の株価評価余地は十分あると見ている。

    液晶ディスプレイ用ガラスパネル大手のコーニングは、7-9月期見通しについて、新型iPhoneの発売遅延の影響を受けるとの一部アナリストの見方から株価が急落したが、調整は一巡した可能性もあろう。半導体生産管理・工程監視システム製造のKLAテンコールは、4-6月期の売上高、EPSとも市場予想を上回ったが株価が急落。DRAM市況悪化を懸念し利益確定売りが広がったようだが、NAND中心に中国向け受注が拡大している模様で、今後も業績の拡大が期待できそうだ。予想PER約14倍の株価動向に注目したい。トランプ政権の混乱、北朝鮮問題など波乱要因もあるが、VIXは落ち着きを取り戻しつつある。好業績ながら下落した銘柄などを選別し、投資の好機と捉えたい。(庵原)

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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(7/28現在)

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■主な企業決算 の予定
●8月1日(火):ファイザー、スプリント、アップルモザイク
●2日(水):メットライフ、テスラAIG、シマンテック、タイム・ワーナー
●3日(木):バイアコム、アディダス、AMC ネットワーク、アパッチ、アクティビジョン ブリザード、アラガン、ケロッグ

■主要イベントの予定
●8月1日(火) :
7月のISM製造業景況指数
7月の自動車販売
・6月個人所得・支出
中国7月の財新製造業PMI
●2日(水) :
7月のADP民間雇用統計
・MBA住宅ローン申請指数
6月の生産者物価指数
●3日(木) :
6月の製造業受注
ECB経済報告
・6月の耐久財受注
●4日(金) :
7月の雇用統計失業率
・6月の貿易収支
●7日(月) :
7月の労働市場情勢指数(LMCI

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)


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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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