米国マンスリー2016年11月号

強まる年内利上げ観測も業績が相場をサポートへ!

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景気回復の兆しと注目の業界

米国の3Q(7-9 月)のGDP 成長率は4 四半期ぶりに2%台に回復する見通し。アトランタ連銀が発表する「GDPナウ」によれば、10/19時点で同2.0%が見込まれている。一方、Bloomberg集計による見通しは引き続き堅調な個人消費が牽引し、同2.5%である。

9月のISM製造業景況指数は57.1、非製造業景況指数が51.5と共に8月から大きく改善。良好な新規受注や生産が製造指数を牽引。10月のISM指数は製造業が51.7、非製造業が57.1と改善基調維持の見通し。米経済に回復の兆しがある中、年末商戦に向け小売、運輸など景気敏感関連に注目したい。(袁)

【米景気回復の兆し~ISM景況指数の改善、良好なGDPへの期待】

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利上げ観測から金融関連に注目

10/25時点で、12月の米利上げ確率は72.5%と9/30時点の59.3%から上昇し7割以上の高い水準となった。小売売上高、地区連銀経済報告(ベージュブック)、中古住宅販売や製造業PMIなど重要な経済指標の改善傾向を受けて12月の利上げ観測が一段と高まっている。

利上げ確率が高まり10年国債の利回りも上昇。利上げ観測が強まる中、金利は緩やかな上昇が続いており、銀行や保険など金融関連の業績改善に期待したい。(袁)

【経済指標の改善から利上げ確率や金利が上昇している】

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ドル高も株式市場は堅調な展開

足元でじわりとドル高が進展。ドル・円は膠着状態にあるが、ドルインデックスは9月末の95台から10/25には一時99.11と100を窺う展開。

10/20のECB理事会後、ドラギ総裁がテーパリングを否定したこともサポート要因となっている。11/8の大統領選挙で波乱がなければ、不透明感払拭、議会安定と12月の利上げ期待などからドル高が更に進む可能性がある。ドル高は株価の上値を抑えている面もある。しかし、良好な経済指標や7-9月期の決算がドルを押し上げている一方、株式市場の下支え要因にもなっている。(庵原)

【じわりドル高も米国株は堅調な推移~良好な経済指標と業績が下支え】

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良好な2016/12期3Q決算動向

S&P500種構成企業の3QのEPSは、市場予想が10/21時点で前年同期比0.4%減益と10/7時点の同1.6%減益からマイナス幅が縮小。10/25までに決算を発表した170社の実績は同1.7%増益となっている。

10/25現在、125社(73.5%)が市場予想を上回り、3Qは6四半期ぶりに増益となる可能性がある。既に決算を発表したネットフリックス(NFLXP&GPGなど消費関連、モルガン・スタンレー(MSJPモルガン(JPMマイクロソフト(MSFTKLAテンコール(KLACなどハイテクのほかロッキード・マーチン(LMTなどの株価動向に注目したい。(庵原)

2016/12期3Q(7-9月)の業績動向~6四半期ぶりに増益となる可能性も】

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OPECに向け減産合意となるか?

WTI原油先物価格は50ドル/バレル前後で推移と年初来高値圏にある。11/30のOPEC総会に向けて減産を含む生産枠設定が期待されている。国債発行で175億ドル(約1.8兆円)を調達し、国営石油会社サウジアラムコ上場を控えるサウジアラビアとロシアは、財政立て直しに向けた原油高の思惑で一致している。

原油価格の堅調な推移は、市場参加者のリスク許容度を高め、株式市場のサポート要因となる。また、オイルマネーの資本市場への流入期待も高まることになろう。供給過剰の一方で、OPEC加盟国とロシアが総会に向け一致団結し、原油高を維持できるか動向に注目したい。(庵原)

【サウジアラビアとロシアの思惑~原油高続けば株高基調も維持されよう!】

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SOX指数、輸送株指数が上昇

10/25現在、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は年初来上昇率が24.9%とNYダウの同4.3%上昇を大きく上回っている。「3D NAND」型フラッシュメモリーの需要拡大が見込まれ、回路線幅が10ナノメートル台後半のメモリー半導体の投資需要も増加している。四半期決算でEPSが市場予想を大幅に上回ったハードディスクドライブ大手のシーゲイト・テクノロジー(STX、集積回路を製造するザイリンクス(XLNXなど半導体関連銘柄の株価動向に注目したい。

また、景気敏感の物流、航空などを含むダウ輸送株指数も米国株を牽引しており、フェデックス(FDX)など関連株に引き続き注目したい。(袁)

【モメンタム良好、米国株を牽引するSOX指数とダウ輸送株指数】

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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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