米国マンスリー2016年7月号

BrexitからBregret、そしてマーケットの行方は?

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Brexit→Bregretとマーケット動向

「EU離脱なし」を織り込んでいたマーケットに激震が走り、ポンドは急落。安全通貨とされる円が急騰、ユーロやドルも大幅に変動し、主要株価指数は急落と金融市場では一気に離脱(Brexit)を織り込んだ。

しかし、EUへの負担金、移民問題など想定と違った現実を突きつけられた多くの国民は、Brexitの選択を後悔(Bregret)し始めている。辞意を固めたキャメロン首相は多くの国民の再投票の要求を却下し、EUは英国に早期の離脱届出書を要求。離脱派要人からは事前公約や主張を反故にする発言も見られる。ただ、この先のマーケットに更なるワーストシナリオも描きづらい。激震の余波は続くも正常化に向けた動きは案外早いものとなる可能性もあろう。(庵原)


BrexitからBregret、そしてマーケットマーケットの行方は?】

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高まる2Q以降の成長率見通し

2016/1Q(1-3月)のGDP成長率(確定値)は、前期比年率1.1%増と改定値から上方修正。個人消費が下方修正された点はやや懸念だが、2Q以降は成長率が高まる見通し。

1Qは貿易赤字縮小で純輸出がプラスに寄与し、企業の知的財産投資は大幅な上方修正。コンピューターソフトウエアや研究・開発の支出が拡大。企業利益も税引き前ベースで前期比1.8%増と上方修正された。6/24現在のアトランタ連銀GDPNowでは2Qの成長率見通しが前期比2.6%増。個人消費は同4.1%増と牽引役となる見通しである。(庵原)


【雇用市場2016/2Q以降のGDP成長率は高まる見通し】

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月初の重要指標で相場安定へ?

Brexitショックで急落した世界の株式市場だが、7月は改善も期待される米中の月初の主要経済指標が相場の押し上げ役となる可能性もある。

ISM景況指数は節目の50を超え、5月に悪化した雇用市場が予想通り改善となれば、マーケットに安定感をもたらすことになるとみている。6月の雇用統計は特殊要因もなくなり改善が期待できよう。中国のPMIなども相場反転の契機となる可能性もあり、動向に注目したい。(庵原)


【月初の重要経済指標次第では急落した相場の反転上昇も期待できよう】

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利上げではなく利下げ?

Brexitを受けて先物市場ではFRBの年内利上げはほぼないと見始めたばかりでなく、利下げの可能性をも織り込み始めた。7、9、10、12月の利上げ確率は、英国の国民投票の結果が判明する前日の6/23時点でそれぞれ10.0%、31.6%、34.5%、50.1%であり、利下げ確率は全てゼロであったが、6/28時点では右図表の通りである。

10年国債利回りは米国ではBrexit決定前の1.7%台から1.4%台に急低下し、マイナスに突入した日本、ドイツでは過去最低水準を更新している。リスク回避の強まりであるが、やや過剰な面もあり、市場は徐々にリスクオフが弱まるものと予想する。(庵原)


【強まるリスクオフから市場は年内利上げではなく利下げを見据え始めた】

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2016/12期2Q決算シーズンへ

7月には2016/12期2Q(4-6月)の決算発表が始まり、市場の関心は景気指標→企業業績へと向かい始めることとなる。2Qは未だエネルギーセクターが大幅減益と足枷だが、同セクターを除けば前年同期比1.8%減益。ようやくプラスへの転換も視野に入り始めることとなりそうだ。

セクター別では、10業種分類で一般消費財・サービスが前年同期比5.9%増、通信が同5.6%増、ヘルスケアが同2.8%増、公益が同2.6%増、資本財・サービスが同1.2%増と現状、5業種が増益見通しである。サブセクターでは自動車の2桁増益のほか、資本財が同6.0%増見通しで、スリーエム(MMMロッキード・マーチン(LMTハネウェル(HONゼネラル・エレクトリック(GEなどの業績動向に注目したい。(庵原)


2016/12期2Q(4-6月)決算シーズン到来~増益への道筋が見え始めた】

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Brexitでリターン・リバーサルも

6/28現在、S&P500の年初来騰落率は▲0.38%。金利の低下もあって、通信や公益など好配当セクターが18%超の上昇、エネルギーも11%台の上昇となっている。

一方、素材、金融、資本財・サービス、情報技術などはBrexitでパフォーマンス悪化に拍車がかかった。しかし、行き過ぎた悲観シナリオの修正も想定され、これらのセクターは、リターン・リバーサル(逆張り)も狙えると思われる。業績動向をチェックし銘柄選択を進めて欲しい。(庵原)


【リターン・リバーサルも狙いたい~業績チェックで銘柄選択を】

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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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