米国ウィークリー2015/12/15号

OPECが招いた原油安、リスク・オフとその後の展開

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  • 12/4のOPEC総会を契機に投資家のリスク許容度が低下し、ドルは売られ株価は下落し、リスク回避から債券が買われ金利は低下した。OPEC加盟国の11月の生産量は3,170万バレル/日と従来の生産枠3,000万バレル/日を上回る状況となっている。ベネズエラなど一部で原油安に歯止めをかけるために減産を提案したものの調整がつかず、総会で新たな生産枠が設定されないまま現状の生産が維持されることとなった。世界屈指の産油国であるサウジアラビアは非OPECのロシアやメキシコなどと事前に協調減産を提案したものの受け入れられなかった模様で、OPEC総会で減産に応じることはなかった。

    OPEC総会を機に原油価格は急落し、WTI原油先物価格は40ドル台を割り込み12/11には6営業日続落と、一時35.16ドルまで下落した。CFTC(米商品先物取引委員会)によれば、ヘッジファンドなど投機筋によるWTI原油の売りポジションは過去最高となった模様である。原油安に伴うインフレ率低下で利上げペースが鈍るとのシナリオのもとドルは売られ、債券が買われ10年債利回りは12/3の2.3%台から12/11には2.1%台まで急低下となった。

 

  • 原油安に加え、ハイイールド債(高利回りの低格付け社債)を手掛けるサード・アベニュー・マネジメントが12/9、7.88億ドル(約950億円)規模のクレジットファンドの償還を停止し、ファンド清算に追い込まれたと報道され更に投資家心理を冷え込ました。著名投資家のカール・アイカーン氏は12/11、ツイッターへの投稿で「ハイイールドのメルトダウンは始まったばかりだ」とコメントした。

    市場を取り巻く環境は厳しいが、12/15-16のFOMCで利上げ実施され、イエレンFRB議長の声明で米景気の順調な拡大が確認されれば、投資家マインドの好転も想定される。積み上がった原油売りポジションの巻き戻しの可能性もあろう。12/11現在、過去5営業日で大きく下げた有望セクターから、リターンリバーサル(逆張り手法)を狙える優良銘柄をピックアップしたい。金融ではゴールドマン・サックス(GSJPモルガン・チェース(JPM、情報技術ではマイクロソフト(MSFTアップル(AAPL、一般消費財・サービスからはアマゾン・ドット・コム(AMZNアンダーアーマー(UAなどに注目したい。(庵原)

 

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(12/11現在)

 

 

主要企業の決算発表予定

16日(水): オラクルフェデックス
 

主要イベントの予定

15日(火):
・12月のNY連銀製造業景気指数
11月のCPI(消費者物価指数)
FOMC12/16 まで)
・独12 月のZEW 景況感指数
16日(水):
・MBA 住宅ローン申請指数(12/4 終了週)
11月の住宅着工指数と建設許可指数
11月の鉱工業生産
11月の製造業PMI
FOMC が終了、経済予測の発表とイエレンFRB 議長の記者会見
17日(木):
・新規失業保険申請件数(12/12終了週)
11 月の景気先行指標総合指数
ECB の経済報告
18日(金):
11月のサービス業PMI
・米リッチモンド連銀総裁、講演
21日(月)
・11月のシカゴ連銀全米活動指数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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