米国ウィークリー2015/11/17号

テロへの警戒と弱い景気指標から目先不安定な展開も

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  • 11/13金曜日、フランス・パリでまたしても痛ましいテロ事件が発生した。2015年1月にはイスラム教の預言者ムハンマドを風刺画で冒涜したとしてパリの週刊誌本社が襲撃された。しかし、今回は一般市民への無差別なテロ行為であり、用意周到な同時多発的であった点で1月のテロ行為とは大きく異なる。フランスのオランド大統領は11/14、テレビ演説のなかで「テロリストによって起こされた戦争行為だ」と語りイスラム国(IS)による犯行と断定。一方、ISは「忠実な戦闘員らが堕落した都を攻撃した」とインターネットで犯行声明を発表した。

    全容は明らかになっていないが、実行犯にはフランスで生まれ育った20代のフランス人が含まれており、貧困問題がテロ行為を招いた可能性も考えられる。フランスは人口6,500万人のうち約10%がイスラム教徒と欧州でも最も多様性を受け入れている国家である一方、イスラム教徒の失業率は30%に達し同教徒の若年層の失業率は40%との見方もある。

  • 11/15からトルコ南部のアンタルヤで開幕したG20首脳会議ではテロ対策を重点的に協議し、過激主義の温床と指摘される貧困問題への取り組みを首脳宣言に盛り込む模様。テロ組織の資金源の遮断など金融規制の強化や国境警備の強化も打ち出す予定である。パリ同時テロを受けて米国はフランスと協力し、ISに対するシリアとイラクでの空爆強化の方針を明らかにした。米国においてもテロへの警戒感が高まっている。EUでは難民受け入れや域内自由渡航への制限などヒト・モノ・カネの動きに影響が出れば持ち直しつつある経済への影響も大きく、世界経済の先行き不透明感にも繋がりかねない。

    米国では、11/13に発表された10月の小売売上高が前月比0.1%増とプラスとなったものの市場予想を下回り、生産者物価指数は同0.4%低下と予想外に2ヵ月連続のマイナスとなった。クリスマス商戦を前に弱い消費関連の指標から11/13の米国株は大幅な下落となった。テロへの懸念もあって今後の消費者マインドへの影響も危惧される。当面、金融市場は不安定な展開も想定されるため、ファンダメンタルズを重視した銘柄選択を心掛けたい。好業績企業の押し目を拾う投資スタンスを推奨したい。(庵原)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/6現在)


主要企業の決算発表予定

●17日(火):ホームデポ、ウォルマート・ストアーズ
●18日(水):セールスフォース・ドットコム


主要イベントの予定

●17日(火):
10月のCPI(消費者物価指数)
10月の鉱工業生産
・11月のNAHB住宅市場指数
●18日(水):
FOMC議事録(10/27-28分)
10月の住宅着工件数
10月の建設許可件数
APEC首脳会議(11/19まで、マニラ)
●19日(木):
・新規失業保険申請件数(11/13)
10月の景気先行指標総合指数
ECB理事会議事録(10/22分)
日米首脳会談(マニラ)
●20日(金):
ドラギECB総裁の講演(フランクフルト)
●23日(月):
10月の中古住宅販売件数
・ECB第6回TLTRO実施



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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