米国マンスリー2015年10月号

波乱と懸念の中に見出す光明と10月相場展望

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年内利上げで不透明感払拭も

9月FOMCの利上げ見送りは市場の不透明感を高めた。FRBが海外情勢を考慮に入れたためだが、米国景気への懸念が浮上することとなった。ただ、米国内の雇用情勢や経済データは良好で、FRBによる2015年の実質GDP成長率見通しは上方修正された。足元も確りした景気指標が確認され、年内利上げ観測が強まれば不透明感が払拭されることとなろう。FOMCメンバーの大半は、年内利上げを見込んでいる。(庵原)


 

上方修正のFRB経済見通し(9月FOMC)もマーケットには不透明感

 

 


投資家マインドは改善となるか?

日米欧の株式市場は、波乱と懸念のなか投資家心理が冷え込み、大幅な下落相場となっている。ここで、投資家マインドを悪化させている主な要因は下記の通りである。
①米国の利上げ時期を巡る不透明要因、②中国の経済と株価への懸念、③世界景気悪化と米国経済への影響、などが挙げられる。フォルクスワーゲン(VOWの排ガス不正問題、キャタピラー(CATの業績下方修正なども追い打ちをかけた。
ただ、株価調整は十分に進み予想PER水準は大幅に低下している。2000年以降の予想PER平均値は、NYダウが15.9倍に対して足元14倍台まで低下しており、決算への期待もあって投資家マインド改善が見込まれる。10月はキャッシュ・ポジションを高めた投資家の株式市場への資金流入が期待できよう。(庵原)

中国懸念を端緒に大幅調整となった株式市場~PER水準も大幅低下


 

市場の注目は3Q(7-9月)業績へ

10/8のアルコア(AA)を皮切りに3Q(7-9月)の決算発表シーズンを迎える。現状S&P500社は前年同期比6.5%減と減益見通しも、エネルギーを除くベースでは同0.5%増。黄色の網掛けセクターのうち、一般消費財・サービスは同10.7%増、4Q以降2桁増益見通しであり、特に注目したい。同セクターのサブセクターである自動車・部品は同29.9%増と大幅な増益見通しだ。同セクターのネット販売などにも注目したい。(庵原)

自動車・部品、ネット販売など消費関連セクターに注目


習近平主席訪米と注目企業

習近平主席は9/22、最初の訪問地シアトルに到着し、翌9/23の米中企業円卓会議に出席した。同会議には米中両国の大手30社(右図表)が参加し注目を集めた。インターネット、ハイテク、自動車、金融、化学、消費財、航空機、建設、娯楽など幅広い分野の企業が集まり、米中投資協定(BIT)締結への動きも期待される。
2014年の米中貿易額は5,904億USD、中国の対米直接投資額は94.6億USD。BIT締結となれば、貿易や投資は大幅な拡大となろう。個別企業では中国から380億USDのジェット機を受注したボーイング(BAや習氏が本社を訪問したマイクロソフト(MSFTなどに注目したい。また、中国から撤退したグーグル(GOOGLや中国で利用が出来ないフェイスブック(FBは会議出席が叶わなかったが、米中首脳会談を契機に中国再進出の可能性も浮上している。(袁)

米中首脳会談で注目が集まる関連企業



スポーツのビッグイベントで商機

世界的なスポーツイベントが相次いでおり、スポーツ関連企業を取り上げたい。8月の北京での世界陸上競技選手権大会に次いで、9月から世界3大スポーツイベントの一つラグビーW杯がイングランドで開催されている。米国も出場しており、スポンサーのマスターカード(MA、強豪のウェールズなどと契約しているアンダーアーマー(UAにとって大きな宣伝効果が期待され商機がありそうだ。また、10月NBA(北米バスケットリーグ)のシーズン開幕を迎え、北米市場で圧倒的な人気を誇る世界スポーツ用品最大手のナイキ(NKEも業績好調であり注目したい。(袁)

スポーツ関連銘柄に注目する



年末商戦に向け関連業界に注目

米国の年末商戦は感謝祭翌日の金曜、通称「ブラックフライデー」から始まり、今年は11/27にあたる。全米小売業協会では、年末商戦の売上高予想を前年同期比2.4%増と予想している。一方、オンラインショッピングに関しては「サイバーマンデー(感謝祭明けの月曜で、今年は11/30)」も広く知られるようになり、この日は注文や配送が急増する。

関連銘柄として、アマゾン・ドット・コム(AMZN)フェデックス(FDX)JCペニー(JCP)に注目したい。(北浦)

オンラインストアでは、「サイバーマンデー」の売上が最も高くなる




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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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