米国ウィークリー2015/11/10号

12月利上げを織り込んだ市場とその後の展望

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  • 前月比27.1万人増。11/6に発表された10月の雇用統計で、非農業部門雇用者数の増加幅は市場予想の同18.5万人増を大幅に上回り、事前予想の最大値同25.0万人増も上回った。8月が同15.3万人増、9月が同13.7万人増と大幅に鈍化したが、10月の大幅増により年初来の平均値は20.6万人と節目の20万人を超える水準を確保した。強い雇用統計を受けて10/6のNYダウは一時前日比下落となったが、景気への楽観的な見方が強まり小幅ながら上昇して取引を終えた。業種別には金融、ハイテク、素材などが買われ、NYダウ構成銘柄ではゴールドマン・サックス(GSJPモルガン・チェース(JPMのほか、ウォルト・ディズニー(DISイー・アイ・デュポン(DDなどが上昇した。

    10月の平均時給は前月比0.4%増、前年同月比では2.5%増と9月の同2.3%増を上回り2009/7以来の高い上昇率となり、失業率は5.0%とFRBがほぼ完全雇用とみる水準に低下した。金利先物動向からみた12月FOMCでの利上げ確率は68%と雇用統計発表前の56%、10月のFOMC前の34%から大幅に高まった。12/4に発表される11月の雇用統計を確認する必要はあるが、現状では12月に利上げが正当化されるデータが揃ったと言えよう。
  •  11/6現在、2015/12期3Q(7-9月)決算では、S&P500種構成企業のうち441社が発表を行い、うち312社が市場予想を上回りサプライズ比率は70.7%と引き続き高水準となった。中国動向など懸念された業績は、市場予想に対して堅調な動向が確認され、市場の注目ポイントはマクロ動向に移りつつある。

    足元、小幅なレンジでの堅調な展開が続くNYダウは、年初来騰落率で僅かではあるが7月以来となるプラスに浮上してきた。金利上昇は、株式市場にとって重石となる見方もあるが、利上げペースが緩やかであることや小売売上高、生産者物価や消費者物価など今後発表される景気指標で改善が確認されれば市場参加者のリスク許容度は高まり、株式市場は堅調な推移が予想される。引き続き好業績が確認された企業に注目し、セクター別には想定される利上げや堅調な米国景気動向を前提に金融、消費関連のほか素材やコングロマリットなど景気敏感セクターの株価動向にも注目したい。(庵原)

 

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/6現在)


 


主要企業の決算発表予定

●11日(水):メーシーズ
●12日(木):シスコシステムズ

 

主要イベントの予定

●10日(火):
10月の輸入物価指数
・EU財務相理事会
●11日(水):
ドラギECB総裁、BOEイベントで講演(ロンドン)
・中国「独身デー」(eコマース大規模セール)
●12日(木):
・新規失業保険申請件数(11/6)
・10月の財政収支
イエレンFRB議長の挨拶
●13日(金):
10月の生産者物価指数(PPI
10月の小売売上高
11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
・シェイク・シャック日本1号店がオープン(東京北青山)
●16日(月):
NY連銀製造業景気指数
OECD世界経済見通しの公表
・G20首脳会議(11/15から、トルコ・アンタルヤ)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)

 



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