米国マンスリー2016年2月号

景気、業績への懸念払拭も想定される2月相場

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GDP鈍化予想と米国マクロ動向

2015/12のISM製造業景況指数は市場予想を下回り2ヵ月連続で節目の50を下回った。中国懸念、原油安などが企業や消費者のマインドに影響を及ぼしている状況である。
2015/10-12期のGDP成長率は、鈍化した2015/1-3期以来の水準に落ち込む見通し。ただ、ITや金融、サービス産業など米国経済の主力である非製造業は好調。2016/1のISM非製造業景況指数は引き続き55を上回る高水準が見込まれている。1月のIMF世界経済見通しでは、米国の経済成長率は2015年の2.5%に対して2016年は2.6%。米マクロ動向に注目したい。(庵原)


【足元、弱含む米国経済指標~非製造業は好調に推移】



中国動向に引き続き注意が必要

中国の2015年通年のGDP成長率は6.9%と2014年から0.4ポイント鈍化し、1990年以来25年ぶりの低成長となった。過剰な設備や不動産在庫増加で生産や投資が低迷。

習近平主席は2016-2020年の新5ヵ年計画で「年平均6.5%以上」の成長率を示したが、IMFの見通しは2016年が6.3%、2017年が6.0%である。輸出や製造業など重要経済指標は低調で未だ先行き懸念は強く、世界の金融市場への影響が大きい中国の経済とマーケット動向には引き続き留意したい。(袁)

【中国経済とマーケット動向~引き続き動向に留意】



稼働リグ数急減で底打ちの兆しも

原油安加速の背景は、①OPECによる価格統制機能の喪失、②中国や世界経済減速による需要減と供給過剰の懸念、③投機筋による空売り拡大、などが挙げられる。OPECの盟主であるサウジアラビアは市場シェア拡大戦略を続け、イランは経済制裁解除に伴う増産が控えている。
IMFなどによる世界経済見通しの下方修正は投機筋の空売りの好材料となった。ただ足元、原油価格と稼働リグ数は、リーマン・ショック後の水準を下回っている。先行き不透明感は残るものの、底打ちの時期は近づいていると思われる。(庵原)


【原油価格の先行きは不透明も稼働掘削リグ数大幅減で底打ちの兆しも】



好業績セクターは投資の好機

年初来世界の株式市場は荒れ模様であるが、好業績セクターへの投資の好機と捉えることができよう。 
原油安と低金利が続いており、消費関連セクターは収益の拡大が見込まれる。このため、自動車や住宅、ネット販売を含めた小売や外食、航空などのセクターは収益拡大が期待される。ヘルスケア・バイオは国内市場だけでなく、新興市場での拡大も期待されよう。また、通信セクターは好調な収益動向に加え、好配当の観点からも注目したい。(庵原)


【波乱の相場展開も決算本格化で注目のセクター】



良好な雇用環境は堅持されるか

2015/12の非農業部門雇用者数は前月比29.2万人増と市場予想の同20万人増を大幅に上回った。雇用拡大を示す節目の20万人を3ヵ月連続で上回った。平均時給は前年比2.5%上昇と2015/11の同2.3%上昇から改善したが、市場予想の同2.7%上昇を下回った。
ただ、失業率は5.0%と実質で完全雇用に近い水準にあり、この状況が続けば賃金上昇に拍車がかかり、物価上昇につながる可能性もある。2016/1の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比 20万人増、失業率5.0%が見込まれている。原油安や中国懸念などの米国景気への影響が懸念されるが、良好な雇用環境が維持されるか注視したい。(袁)


【良好な雇用市場持続で賃金上昇、物価上昇となるか】



市場拡大見通しのIotと関連銘柄

IoT(Internet of Things)はモノのインターネットと呼ばれる。インターネットで様々な「モノ」に接続し、「モノ」によるデータの収集、分析や活用を通じた生産性の改善、サービスや利便性の向上、防犯や事故など危険の予防などに活用できる。IT専門調査会社のIDCによれば、2016-2019年の4年間で世界のIoT市場は年平均17%の成長が予測されており、2019年の市場規模は約1.3兆USD(約153兆円)が見込まれている。

個別銘柄ではIoT分野で産業用アプリを開発しているゼネラル・エレクトリック(GE)、質問応答システム「Watson」に注力しているIBM(IBM)、新世代車載システムでアマゾン(AMZN)と提携するフォード・モーター(F)などに注目したい。(袁)


【あらゆる「モノ」をつなげるIoTと関連銘柄】



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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