米国ウィークリー 2016/3/15号

利益確定売りも下値の堅い展開を予想する

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  • 3/10、ECBが発表した市場の期待を上回る内容の追加緩和とその後のドラギECB総裁のコメントにより、欧州株式市場は乱高下する展開となった。金融政策を総動員したECBの決定項目は以下の通りである。①主要政策金利0.05%→0.00%、②限界貸出金利0.30%→0.25%、③中銀預金金利▲0.3%→▲0.4%、④資産月間購入額600億ユーロ→800億ユーロ、⑤投資適格級の銀行以外の事業会社の社債を購入対象に加える、⑥金融機関への長期資金供給オペである新たなTLTROを6月から4回実施。期間は4年、借り手のコストは中銀預金金利と同水準まで低下もあり得る。

    強力な追加緩和を受けて3/10の欧州株式市場は一時急伸したが、ドラギ総裁の追加利下げへの否定的な発言から終値は前日比マイナスとなった。「金融政策の限界」との見方も浮上したが、翌3/11の欧州株式市場では改めてフルスペックの金融政策が評価され、独DAXが3.51%、仏CAC40指数が3.27%の大幅高となった。特に銀行、保険など金融株が大幅な上昇となった。追加緩和では新たなTLTROで銀行がECBから金利を受け取って資金供給を受けられるため、金融機関の収益下支えになることが期待される。
  • 欧州株の上昇、原油高から投資家心理が改善し、S&P500、NYダウともに3月の第2週は1%を超える上昇となり、4週連続高となった。終値ベースで年初来安値となった2/11の15,660.18ドルから3/11には17,213.31ドルと9.9%もの上昇となり、年初来のマイナスを取り戻すような展開となっている。短期的には高値警戒感とFOMCを控え利益確定売りも想定されよう。ただ、マイナス金利を導入した日欧の株式市場では売り込まれた金融株が買い戻されるなど落ち着きを取り戻している。米国でも金融セクターの見直し余地はあると見られ、ヘルスケアや情報技術などへの資金流入など下値の堅い展開を予想する。

    FRBによる今後の利上げペース、景気と金融市場や原油価格などのマーケット動向の認識と見通しが注目されるが、FOMCの結果の市場への影響は限定的となろう。経済指標や大統領予備選の動向にも注目したい。(庵原)



S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/11現在)

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主要企業の決算発表予定

●15日(火):オラクル
●18日(金):ティファニー
 

主要イベントの予定

●15日(火):
FOMC3/16まで)
2月の小売売上高
・2月の生産者物価指数(PPI)
・NY連銀製造業景気指数
●16日(水):
・2月の消費者物価指数(CPI)
2月の住宅着工件数
2月の鉱工業生産
イエレンFRB議長の会見と経済見通し
●17日(木):
2015/10-12期の経常収支
2月のCB(全米産業審議会)景気先行総合指数
・3月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数
EU首脳会議
●18日(金):
3月のミシガン大学消費者信頼感指数
  ●21日(月):
2月のシカゴ連銀全米活動指数
・2月の中古住宅販売件数

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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